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● 理不尽の必要性についてのコメント
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先日(2009年1月4日)のメールで、
「若いうちに理不尽な経験をしておくことは必要」
という内容のメルマガを書きました。
そのメルマガはこちら
→ https://mizunohiroshi.m-stn.com/archives/654305.html
お正月休みにもかかわらず、いつも以上の反応があったようで、
コメントもいくつか頂きました。
いつもありがとうございます。
そのコメントの中で、Iさんより、こんなご質問を頂きました。
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今回のこの「社会の理不尽さ」も大変勉強させて頂きました。
私は30歳の会社員ですが、今までこの理不尽さを諦めたり、
少し反抗して疲れたタイプです。
もしよろしければ今後のメルマガで
「理不尽さと上手く付き合いながら、自分の考えを貫いていく」
方法のヒントだけでも教えて頂ければありがたいです。
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Iさん、ありがとうございました。
おそらく、他にもIさんのようなご経験をお持ちの方もいらっしゃると
思います。
もちろん、私自身も同じような経験を山ほどしました。
でも、最近は、まだイライラしたりむっとしたりすることはあるものの、
だんだん自分の中で折り合いをつけられるようになってきました。
ということで、今回は理不尽を感じるケースとして、
A.人間関係において発生する理不尽
B.環境変化において発生する理不尽
のうち、A.の「人間関係において発生する理不尽」について
どう対処するかを考えてみたいと思います。
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● 理不尽への対処法
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理不尽とどうつきあうかという前に、理不尽とは何かを、
まず考えてみましょう。
広辞苑によると、理不尽とは、
1.道理を尽くさないこと
2.道理に合わないこと。無理無体。
とあります。また、ここで出てくる道理とは、
1.物事のそうあるべきすじみち。ことわり。
2.人の行うべき正しい道。道義。
とありました。
ここでのポイントは、
■ 道理とは、「理不尽と考える当事者」が考えているもの
ということ。
つまり、人間関係において発生する理不尽とは、あなたが理不尽だと
思っていたとしても、相手はそう考えていないわけです。
むしろ、相手の中では相手なりの「道理」があるわけです。
つまり、理不尽とうまくつきあう第一歩は、
★ 相手には道理がある、ということを理解する
ということから始めないといけないのです。
ここからスタートしないと、どんなに正論をぶつけても、
交渉力を磨いても、どうにもなりません。
その上で、
★ まずは相手の道理を受け入れる
ことを行いましょう。
というと、
「理解できない相手の道理など受け入れることなどできない!」
と言い出す人もいるかもしれませんが、ここで言う受け入れるとは、
★ 相手がそういう道理を持っているということだけを理解する
ということです。別に、あなたの道理を曲げろという訳ではありません。
たとえて言うなら、映画に出てくる、とんでもない悪役の考えを
理解するような感じで、
「ああ、あの人は、私とは違って、そう考えているんだ」
と、一歩引いて理解すればいいのです。
理不尽な人とのつきあい方が下手な人の多くは、相手がぶつけてくる
道理に対して、真っ正面から否定してかかってしまうようです。
これは別に、言葉を使って否定をするという行為だけでなく、
心の中で相手を否定するということも道義になると思います。
いずれにせよ、何らかの形で、相手に対して否定のメッセージを
伝えてしまうと、そこで人間関係は急速に悪化するわけです。
すると、理不尽さにさらに拍車がかかり、最後には修正不能なくらい
人間関係がこじれてしまったり、ひどく傷つけられてしまったり、
といった状態になってしまうわけです。
そういった、ひどい状態を避けるためにも、まずは相手の道理を
いったん受け入れて、「なるほど、あの人はそう考えるんだ」と
いったん受け止めてみてください。
そうすると、私の場合は、感情的にならず、落ち着いて現状の問題に
対処できるようになりました。
ということで、まずは相手の道理を受け入れることを
チャレンジしてみてくださいね。
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今日のトーク術・まとめ
自分には理不尽でも、相手には道理があることを理解しよう!
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それでもまだ、しっくりしない、納得出来ない、と言う人も
いるかもしれません。
多分その人は、
「理不尽な【人】に対して何とかしようとしてしまう」
と考えているからかもしれません。
でも、人を変えることは不可能です。
人の性格、考え方、発言等々、自分ではなく他人を変えることは
無理だと言うことを、まずは受け入れた方がいいでしょう。
だから、「人間関係に置いて発生する理不尽」が起きたとき、
その人を何とかしようと思ったら、どうにもならなくなります。
しかし、
★ その人との間に起きた出来事を、その都度何とかする
と考えたら、対処の可能性は広がるでしょう。
無理なことに心をとらわれてしまって、自分の心をすり減らすより、
多少なりとも何とか出来ることに意識を向けて、そこに力を
注ぐことが、不用意にストレスを受けずに、理不尽さに対応する
方法だと、私は思っています。
ということで、ここで紙面が尽きてしまいました。
まだまだ語り足りないことはありますが、それはまた次回以降の
メルマガで考えてみたいと思います。