おはようございます!
水野です。
本編の前にお知らせを。
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さて今日は、自分が育てなければ行けない生徒や部下、
後輩に対し、好きになれない、という人に向けて、
あるお話をご紹介したいと思います。
では、早速参りましょう!
━━━━━
● ある女性教師と少年との出会い
─────
ネットで、とても素敵で、そして少し恐ろしさを感じた
お話を見つけました。
それは、ある女性教師と、その生徒の物語です。
その先生は、あるとき5年生の担任を受け持ちました。
その時の生徒の中で、ある一人の男子児童がいたのですが、
その教師は、その子がどうしても好きになれませんでした。
なぜならその少年の服装が、不潔でだらしなかったからです。
ですから、中間記録には、その少年の悪いところばかりを
記入してしまいました。
しかし、あるとき、その少年の小学校1年の記録を、
たまたま目にしました。
そこには、
「朗らかで友達が好きで、人にも親切。
勉強も良くでき、将来が楽しみ」
と書いてありました。
これは何かの間違いだ、と先生は思いながら、その後の
少年の記録に目を通していきました。
すると、2年生の時、少年の母親が病に倒れた、という記録が。
そして、幼いながらに、一生懸命看病をし、そのために
遅刻をしたり、看病疲れで居眠りをしてしまったことが
書かれていました。
さらに3年生の時には、看病もむなしく、少年の母が
亡くなってしまったこと、そして、4年の時には、
父親が、母親の死のショックで自暴自棄になり、
アルコール依存症となって、少年に暴力を振るう
ことなども書かれていたのです。
果たしてこの先生はどう思い、そしてどう行動したか。
ここから先は、是非原文をお読み下さい。
━━━━━
● 嫌いな教え子を持った人へ
─────
先生の胸に激しい痛みが走った。
ダメと決め付けていた子が突然、悲しみを生き抜いて
いる生身の人間として、自分の前に立ち現れてきたのだ。
放課後、先生は少年に声をかけた。
「先生は夕方まで教室で仕事をするから、
あなたも勉強していかない?
分からないところは教えてあげるから」
少年は初めて笑顔をみせた。
それから毎日少年は教室の自分の机で予習復習を熱心に続けた。
授業で少年が初めて手を挙げたとき、先生に大きな喜びが
沸き起こった。
少年は自信を持ち始めていた。
それはクリスマスの午後だった。
少年が小さな包みを先生の胸に押付けてきた。
後で開けてみると、香水の瓶だった。
亡くなったお母さんが使っていた物にちがいない。
先生はその一滴をつけ、夕暮れに少年の家を訪れた。
雑然とした部屋で独り本を読んでいた。
少年は、気がつくと飛んできて、先生の胸に顔を埋めて叫んだ。
「ああ、お母さんの匂い!今日はなんて素敵なクリスマスなんだ!」
六年生で少年の担任ではなくなった。
卒業の時、先生に少年から一枚のカードが届いた。
「先生は僕のお母さんのようです。
そして今まで出会った中で一番素晴らしい先生でした」
それから六年、またカードが届いた。
「明日は高校の卒業式です。
僕は五年生で先生に担任してもらって、とても幸せでした。
おかげで奨学金をもらって、医学部に進学することができます」
十年経って、またカードがきた。
そこには先生に出会えた事への感謝と父親に叩かれた経験が
あるから、患者の痛みが分かる医者になれると記され、
こう締めくくられていた。
「僕はよく五年生のときの先生を思い出します。
あのまま駄目になってしまう僕を救ってくださった
先生を神様のように感じます。
医者になった僕にとって、最高の先生は五年生の時に
担任して下さった先生です」
そして一年。
届いたカードは結婚式の招待状だった。
カードには
「母の席に座って下さい」
と一行、書き添えられていました・・
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今日のトーク術・まとめ
救われたのは、少年ではなく、女性教師だったのではないだろうか?
‥‥……………━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
この話を読んだとき、涙腺が壊れたかと思うくらい号泣して
しまったんですが、それと同時に、ものすごく背筋がゾッと
したんですよね。
教育者たるもの、教え子に対して、嫌いだという感情を
持つべきではない、というのは、正論でしょう。
しかし、教育者だって、聖人君子ではなく、人間ですから、
駄目だとわかっていても、好悪の情というものが湧いてくる
のは仕方ないと思うんです。
しかし、表層上の言動だけを見て、嫌いだと思ってしまうと、
後で取り返しのつかないことになることもあるんじゃないか。
今回のお話も、この先生が、過去の生徒の記録を見たから
その子が単にだらしないだけではなく、悲惨な環境に
いたからこそだと気づけた訳です。
しかし、それを知らなければ、この先生は、きっと担任から
離れるまで、ずっとその生徒が嫌いなままでいたことでしょう。
そして、その生徒もまた、先生を信頼することなく、さらに
くすぶった人生を送っていたかも知れません。
そういう目線で見たら、ある意味、単なるうわべの判断で、
一人の生徒の人生を、大きくねじ曲げてしまったかも知れない。
そう思うと、生徒の生い立ちを知り、その生徒に対しての
嫌いな気持を正して、そのこのために気をかけてあげられた
ことは、その先生自身にとって、大きな救いになったのでは
ないか、と私は思ってしまうんですよね。
逆に、担任を離れ、小学校を卒業した後に、小学校2年から4年
の出来事を知ったとしたら、きっと、悔やんでも悔やみきれない
気持になったかも知れません。
少なくとも、私だったら、申し訳ないことをしたと、頭を
かきむしって後悔したことでしょう。
そうならずに済み、その少年が最後は立派に医者となった
のは、その少年ではなく、一度は嫌ってしまった先生自身の
救いになったんじゃないかと、私は思えてならないんですよね。
私も人を育てる「先生」という立場にいます。
だからこそ、この話を教訓として、うわべだけの言動で、
受講生を色眼鏡で見てしまい、成長や成功の可能性の芽を、
先生自らが潰してしまわないように、気をつけていきたい
と思い知らされたのでありました。
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● 編集後記
─────
昨日のメルマガで、最後のまとめの後で、とんでもない
誤字を書いてしまいました。
守破離の話をしたのですが、最後の段落で、コロッケさんの
練習風景を紹介しつつ、
「これは守破離の『破』です」
と書いてしまいましたが、これは
「これは守破離の『離』です」
の間違いであります。
混乱させてしまってすいません。
いつも誤字は多いものの、今回は、一番キモとなるところを
大きく間違えてしまったせいか、たくさんの方からご指摘
頂きました。
さすがに、この誤字は、話の論旨が変わってしまうほどの
ものですから、見過ごせませんよね。
ということで、ご連絡下さった方々、本当にありがとう
ございました。
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