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矛盾との向かい合い方

おはようございます!
水野です。
本編の前にお知らせを。
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  ● 研修講師が料理店に文句を言う姿は壮観
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昨日のことですが、講師仲間の友人と一杯行きましょう
という話になりました。
東京駅のとある鳥料理屋さんで待ち合わせ、という事に
なったのですが、ちょっと私は遅れてしまったんです。
お店に行くと、ちょっと並んでいたのですが、お店を覗くと
すでに友人が待っておりましたので、入り口の店員さんに
「すいません、待ち合わせなんですけど……」
と言って、入っていいですよね、という雰囲気で
声をかけたら、結構強い口調で
「少々お待ち下さい!」
と言われました。
そんな言い方しなくたっていいじゃないか、と思いつつ、
待てというものですから、しばらく待って、ようやく
お店に入りました。
その後も、料理は美味しいのですが、ドリンクのジョッキや、
料理の皿などを、未だ多少残っているにもかかわらず、
フロアの店員さんは、
「お下げします」
と言いながら、どんどん片付けてしまうんです。
そのうち、予約していた時間が過ぎるということで、
30分前にラストオーダーを取りに来ました。
しかし、そこで頼んだ料理が終了10分前にやって来まして、
それでも早く帰れと言わんばかりの雰囲気。
なんとか慌てて食べ、最後の一口を残したお酒を、締めに
ぐっと飲むことを楽しみにしつつ、トイレに立ったんです。
そして、帰ってくると、なんと、楽しみにしていたお酒が
下げられて、テーブルがキレイになっていました。
ここに来て、私もプチッとキレてしまい、そこから
店長さんを呼びつけ、講師3人で、大説教大会を
始めてしまいました。
いやはや、企業研修をバリバリやっている連中ですから、
このときの説教は壮観でしたね。
ビデオに撮っておきたいくらいのいい話のオンパレードで
ありました(笑)。
もちろん、ここまでやるのは、またこのお店に来たい、
という事で、なおかつ、店員さんも一生懸命やっている
ことも分かっているからこそのこと。
実際、同じお店の、別の店舗では、実に素晴らしい
接客をしてくれ、とても気持ちのいいお店だった
という事でしたので、こちらのお店も、同じような
気持ちのいいお店になって欲しいと思ったからこその
愛の鞭なのであります。
ということで、店名は出しませんが、○○屋さん、
サービスのさらなる向上、よろしくお願いいたします。
 
 


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  ● 矛盾との向かい合い方
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先ほども申しましたとおり、店員さんたちは、皆一生懸命働いて
いるんですよね。
であるにもかかわらず、なぜこんな事になってしまったのか。
そのお店は、人気店らしく、結構予約なども入ってきていたようです。
ですから、手厚くお客様をおもてなしすることももちろん大事ですが
テキパキとお客様を処理し、お店の回転を上げることも、お店に
取っては、とても重要な事だったのでしょう。
手厚いおもてなしと、テキパキと処理をすることは、一見すると
大きな矛盾の関係になっているように見えます。
そして、人間というのは、矛盾があると、その矛盾を解消したい
生き物なんですよね。
一番の理想型は、矛盾する両方を解消する方法を見つけ出すこと。
これが出来たら、何の悩みも迷いも生まれません。
しかし、たいていの場合、そういった都合のいい方法を
簡単に見つけ出すことなど出来ません。
その中で、行動を判断していかなければいけない。
すると人はどうなるかというと、
 ■ 矛盾するもののどちらかを選ぶ
という行動に出ます。
これが、本当に両方の矛盾を解消することが出来ないかと、
ギリギリまで粘って考えた上で、時間切れが来てしまい、
仕方なくどちらかを選択した、という事であるならば、
まだいいでしょう。
しかし、こういった矛盾に、常に立たされ続けていると、
次第にこの矛盾と向かい合うことに疲れてしまうのか、
 ■ ギリギリまで粘らず、早い段階でどちらかを選択してしまう
ようになってしまいます。
今回の店員さんたちも、みんな、一生懸命働いていました。
しかし、手厚くおもてなしをすること、テキパキとお客様を
処理する事の矛盾に、ずっと相対していたせいなのか、彼らは
【早い段階で、お客様を処理することに決めた】ようです。
で、一生懸命お客様を処理してしまった結果、非常に不快な
お店が一件誕生してしまった、という事になるわけですね。
このことは、このお店に限ったことではありません。
私たちは、生きていく上で、必ず矛盾と対峙するときが
出てきます。
そして、全てにおいて、矛盾が理想的に解消する方法が
手に入るわけではありません。
どうしても、解消できないまま、どちらか一方を選択
する必要が出てくるのです。
だからといって、ギリギリまで考えることを諦め、
早々に「この矛盾は解消できない」と決めつけて
生きてしまっては、自分を成長させることは
出来ませんし、周りの人を幸せにする事も無いでしょう。
しかし、矛盾を解消することを諦めず、ギリギリまで粘って
考え続ける人は、たとえ、その矛盾が解消されず、不本意な
選択をしてしまったことを何度も繰り返していたとしても、
その取り組み方そのもので、その人を成長させることでしょう。
そして、その成長していく中で、質の高い行動が出来るようになり
いつしか、抱えていた矛盾を解消する、素晴らしい方法にたどり着く
事が出来るようになるかもしれません。
だから、もしあなたが、矛盾と対峙してしんどいと感じて
いたとしたら、どうかその矛盾に対しての選択を安易に行わず、
その矛盾を解消する方法や考え方を見つけ出そうと、できる限り
ギリギリまで粘ってみてくださいね。
 
 
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           今日のトーク術・まとめ
矛盾に対峙したときは、安易な答えを出さず、ギリギリまで粘って考えよう
‥‥……………━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
しかし、なぜこのお店の店員さんの多くが、こういった考え方に
なってしまったのでしょうか。
これは、指導者であるお店の責任者に問題があると言わざるを
得ないでしょう。
お客様を満足させる丁重な接客をするように店員さんたちを
育てることも、とても大事です。
しかし、売上を上げるためには、効率よくお客様を
さばかなければいけないということも求められます。
きっと、その責任者の方は、この矛盾に対して安易な選択を
してきてしまったため、店員さんたちも、結果的にその安易な
選択のままに育ってしまい、間違った方向に一生懸命取り組んで
しまったのでしょう。
これって怖いですよね。
上司というのは、部下を育てる責任があります。
しかし一方で、成果を出す責任もある。
そして、これは、一時的に、大いなる矛盾として、
上司の前に立ちふさがってきます。
このときに、
 ★ この矛盾と本気で向かい合うことが出来るかどうかで
   あなたの上司としての資質が決まり、組織の将来が決まる
といっても過言ではありません。
成果を捨てて、部下を育てることばかりにかまけるのも問題。
かといって、「会社は学校じゃねえんだ!」と吼えて、
部下を育てることをやめてしまうのも、大問題。
だからこそ上司は、矛盾に徹底的に向かい合いながら
両方を達成することを真剣に考え続ける事から逃げて
しまってはいけないのです。
答えはなかなか出ないでしょうし、しんどいと感じる
ことも多いでしょう。
しかし、もしあなたが、部下を持つ上司であるならば、
どうかこのしんどさを受け入れて、部下と組織を育てる
事に、ギリギリまで悩みながら取り組んで行って下さい。
それがいつしか、あなた自身の大きな成長につながるのですから。
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  ● 「自分でやった方が早い病」のご紹介
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今日の最後にお話しした矛盾に、どう向かい合っていけばいいか
という事について、一筋の光を与えてくれる本があります。
それが、友人でもある小倉広さんが5月に出された
「自分でやった方が早い病」
というタイトルの著書です。
「自分でやった方が早い」VS「みんなで成果を出す」
ある程度能力の高い人ならば、必ずこの矛盾と向き合わされます。
その矛盾と、どう向かい合い、そしてそれを克服していくのか。
このことが、この本には書かれています。
小倉さんとはもう数年のお付き合いになりますが、彼自身もまた
以前は「自分でやった方が早い病」に冒されていました。
しかし、その矛盾と向かい合うしんどさを受け入れ、ご自身の
組織を、大きく変えていくことに成功しました。
それまでのプロセスも、色々とお話しを聞かせてもらいましたが、
この本には、そうやってご自身がその病を克服してきた方法が
たくさん描かれています。
でも、やっぱり一番重要な事は、今日のお話でも描いたとおり、
 ★ 矛盾と向き合うことから逃げないマインドセット
なんですよね。
そして、そのマインドセットについても、この本には
しっかりと書かれています。
ですから、今日の一連のお話しにピンと来た方、または
「自分でやった方が早い病」にかかっているという自覚の
ある方は、是非この本を読んでください。
きっと覚悟が決まると思いますよ。
【自分でやった方が早い病】
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  ● 編集後記
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ちなみに、今回ご紹介した「自分でやった方が早い病」の
55ページに、以前メルマガでご紹介した、私の最大の
恩師である宮田先生のエピソードが載っていました。
その時のメルマガはこちら
 → http://www.mizunohiroshi.net/milky/cs.cgi?m=biz_mag&c=2634
 → http://www.mizunohiroshi.net/milky/cs.cgi?m=biz_mag&c=2635
知らずに読んでいたのでビックリしましたが、こうして人から人へ
先生の生き様が伝わり残っていくのは、本当に嬉しいものです。
小倉さん、ありがとう!

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