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あなたは人から信頼されていますか?

こんにちは!
水野です。
さて今日は、ビジネスパーソンとして高い信頼を獲得したい
と考えている方に向けてお話したいと思います。
 


━━━━━
  ● 先に千円ください!
─────
企業の中で、頻繁に出てくる単語のひとつに、【信頼】
というものがあります。
ですから、企業研修などでも、テーマを
「信頼されるビジネスパーソンになるためには」
というものに設定して、信頼されるためにはどうしたらいいか、
という事を考えてもらうこともよくあります。
すると、たいていの場合、
 「約束を守る」
 「時間を守る」
といった言葉が出てきて、これをきちんと守れば、
信頼を獲得出来る、という話になるんですね。
なるほど、と私は一旦その話を受け止めます。
で、話を変えて、ビジネスとは何か、という話を
するんです。
私が研修の中で設定する定義は、
 ■ ビジネスとは、自分以外の人と価値の交換を行うこと
としています。
オックスフォードの英英辞典では、ビジネスの意味を、
 【ものやサービスをお金で売ったり買ったりする行為】
と定義しているのですが、実際は、バーター等、お金を介さない
やりとりもありますので、大きく「価値」という言葉を
使って、このように定義をしているのです。
そして、ここを足がかりに、さらにビジネスというものを
考えてもらうんですね。
そのとき私は、現金を使ってビジネスのデモを行います。
まず、
 「皆さんとこれからビジネスをしたい」
と宣言をし、500円玉を取り出して、受講生のひとりに、
こう持ちかけます。
 「すいません、500円差し上げるので、千円を下さい」
ビジネスとは、自分以外の人間と価値を交換すること。
ですから、これも、きちんとしたビジネスの取引です。
しかし、こう言われてイエスといってくれる人はいません。
なぜか、と問うと「損をするから」という答えが返ってくる。
また、ときには「等価交換ではないから」と言う答えが
帰ってくるときもあります。
そうですよね、と私は受け、
 「価値の交換を行うのがビジネスですが、相手が損をする
  ビジネスは、いくらこちらにメリットがあったとしても、
  絶対に成立しないんですよね」
と語ります。
受講生は当たり前だろ、という顔をしながら、私の話を
聞いています。
次に私は、千円札を取り出して、受講生にこう持ちかけます。
 「すいません、千円差し上げるので、千円ください」
受講生は怪訝な顔をしながら、結局このビジネスを断ります。
理由を聞くと、
 「意味がないから」
という回答。
私はこう受けます。
 「そうですよね。この取引は意味ないですよね。
  でも、世間には『ビジネスは等価交換である』とか
  『俺たちは給料分だけ働けばいいんだ』と言っている
  人って、たくさんいますよね。
  果たして、この考え方で、きちんと成立するビジネスが
  出来ると言えるんでしょうか」
こう問いかけます。
すると、このあたりから、顔色がちょっと変わってきます。
確かにその通りだ。等価交換じゃ、ビジネスは成立しないんだな。
こう考えているところで、私は千円札をしまい、新たに五千円札を
取り出し、受講生にこう持ちかけます。
 「すいません、五千円上げるので、千円ください」
すると、多くの受講生が慌てて財布を取り出そうとします。
もちろん、イエスと言う意味なんですよね。
そこで、なぜこのビジネスを受けてくれたのかを聞くと、
 「こちらが得をするから」
と答える。
私は頷き、
 「そうですよね。ビジネスとは、相手が得をした、と思って
  もらえないと、成立しないんですよね」
とお話しします。
このやりとりでは、口頭やテキストだけで
【ビジネスでは、相手が支払った以上の価値を提供しなければいけない】
などと伝えるより、こうやって現金を直接見せながらやった方が、
体感しながら理解が出来て、効果が抜群なわけです。
しかし、ここまでは実は前振りで、ここからが本番です。
先ほど、五千円を喜んで受け取ろうとした受講生に対して、
私は改めてこう持ちかけます。
 「すいません、先ほどの取引ですが、金額は全く同じで
  ちょっとだけ条件を変えさせてください。よろしいですか。
  あとで五千円差し上げますので、先に千円ください」
すると、さっきはあれだけ喜んでこのビジネスに乗ってきて
くれた人が、一転して渋い顔をして、即答で断ってきます。
理由を聞くと、たった一言。
 「信頼出来ないから」
と答えるんです。
そこで私は、冒頭でもお話しした件に対して触れます。
 「先ほど皆さんは、『約束を守る』『時間を守る』という
  ことをすれば、信頼は獲得出来るとおっしゃっていました。
  ならば、この私が、皆さんが言ったような、約束を守り、
  時間を守る人間であったとしたら、このビジネスに乗って
  きてくれるはずですよね? どうですか?」
こう話しても、相変わらずこのビジネスに乗ってこない受講生。
そこで私はこう話します。
 「だとすると、先ほど皆さんが挙げた、信頼されるために
  必要な事は、あれだけでは十分ではないようですね。
 
  では、『あとで五千円上げるので、先に千円ください』
  というビジネスが成立する程の信頼を獲得するために
  必要な事は何か、改めて考えて見て下さい」
すると、彼らは話し合いをし、いくつかの答えを出してきます。
しかし、たいていの場合、「契約を取り交わす」「担保を取る」
と言う答えが返ってくるんですよね。
そこで私は、こう指摘します。
 「今回のテーマは、
 『信頼されるビジネスパーソンとなるためには?』
  でしたよね。
  しかし、皆さんが出してきた答えは、契約で縛りをかけたり、
  担保を取って保全を書けようとしています。
  これらは、『相手のことが信頼出来ない』というときに
  必要なものですよね?
  今回は、あくまでも、この取引を成立させるだけの、
  『あなた自身に属する信頼』
  を獲得するために、どうしたらいいかを考えて欲しいのです。
  さらに言うなら、あなたと取引をぜひしたいと
  思うほど相手から信頼を勝ち得ていなくては、
  いくらあなたが契約書を作るといっても、
  担保を出すといっても、相手はビジネスをして
  くれないでしょう。
  だからこそ、そういったものに頼るのではなく、また
  会社の看板に頼るのでもなく、あなた自身が、相手から
  『この人にだったら、先に千円を払ってもいい!』
  と思ってもらえるほどの信頼を獲得するために、
  具体的に何をしたらいいのかを、ここで考えて下さい」
とリクエストします。
そしてさらに、こう付け加えます。
 「ちなみに私は、今回の話と同じく、先にお金を頂いて、
  後で価値を提供するビジネスをしています。
  その金額は、数万円、ときには数十万円になることも
  あります。
  しかし、その際に、事前に契約書を交わしたり、
  担保を差し出すこともやっていません。
 
  また、皆さんが所属しているようなほど有名な会社でもない、
  全く無名な会社の代表です。
  それでも、先にお金を頂き、後で価値を提供するビジネスが
  出来ていますので、是非皆さんも真剣に、
  『先に千円をもらえるだけの信頼をどうやって獲得するか』
  を、考えてみて下さい」
こう言うと、このあたりから、受講生の方たちは、
 「生半可な答えじゃ、納得してもらえそうにないぞ」
と気付き始め、頭に汗をかいて考え始め、深い学びと
気付きが得られるようになっていくのです。
さて、あなたは、先に千円を受け取ることが出来るだけの
信頼は、どうやって獲得出来ると思いますか?
せっかくですので、是非ご自分でも考えてみて下さいね。
 
 
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           今日のトーク術・まとめ
先にお金を受け取ることが出来るほどの信頼はどうやったら獲得出来るか?
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その信頼を獲得する方法は、ひとつだけという事ではありませんが、
私がやって来たことは何か、という事について、参考までにお話
しましょう。
どういうことをやったかというと、
 ★ 先に価値を提供し続けて行った
という事です。
これは、大きな信頼を獲得するための、ひとつの王道の方法です。
とにかく、顧客様になるであろう人に対して、自分が出来うる
限り、徹底的に、その人が喜びそうな価値、役に立ちそうな価値を
提供し続けて行ったんですよね。
ここでのポイントは、
 ★ 提供する、ではなく、提供し続ける
というところ。
単に一回、価値あることを提供するのではなく、
何回も何回も、継続的に価値を提供し続けていく。
これが、信頼を獲得する上で、非常に重要な点だと
私は思うんです。
私の場合は、このメルマガを使って、価値の提供を続けて
おり、セミナーや教材などの販売は、全てこのメルマガを
通じて行っています。
そこで、それなりにセミナーや教材が売れている、という
ことは、先にお金を頂くだけの信頼を獲得している、と
いってもいいと思います。
でも、もっと面白いと思うのは、セミナーなど、ライブで
お会いした人たちから、
「メルマガを毎日読んでいて、この人は信頼出来ると思った」
という言葉を頂くことが少なくないのです。
ここでのポイントも、「続ける」という事なんですよね。
人に価値を提供するのは、ビジネスパーソンとしては当たり前。
その上で、信頼されるためにどうしたらいいかの、重要な
答えのひとつが、【継続】なんですよね。
ですから、もしあなたが、人から信頼されたい、と思うのであれば、
その人にとって価値あるものを提供する事に加え、
 ★ その好意を継続して行い続ける
ことを、心がけてみるといいでしょう。
ちなみに、手前味噌になりますが、人に価値ある情報を
継続的に提供する、という事を手がけたいのであれば、
現在ご紹介しているこの教材は、必ず役に立ちます。
 → http://www.mizunohiroshi.net/milky/cs.cgi?m=biz_mag&c=3971
ということで、継続は力なり、といいますが、それは自分の
能力を高めるだけでなく、信頼される力をも、高めてくれ
ます。
お茶くみだって、お掃除だって、ささやかではありますが、
人に価値を与える行為。
こういったものからでもいいので、ぜひ早いうちから、
継続的な価値の提供に取り組んでみて下さいね。
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