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● 聞かせ屋という仕事
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セミナーが終わって、一息ついた今日のお昼。
家で昨日の参加者の方たち宛に、お礼メールを書いていたら、
たまたまついていたテレビで、面白い人が出ていました。
その人は「聞かせ屋。けいたろう」。
聞かせ屋って、一何の仕事か解りますか? 解らないですよね。
実は、絵本を読んで聞かせる、という仕事なんです。
けいたろうさんは、本業は保育士なんですが、1年半前から
街頭で絵本をのよみきかせを始め、口コミで人気が広がり、
今では月10回以上もよみきかせを行っているんだそうです。
語り口もユニークですし、ギターなんかとコラボして
よみきかせをやったりと、なかなか精力的に活動して
いるようです。
しかしまあ、そういうことだけでありましたら、
私もさほど興味は持たなかったんですよね。
似たようなこと、マンガでやっている人もいますし、
街頭コンサートの延長戦ととらえれば、さしてユニークな
活動でもないですしね。
でも、彼のよみきかせのテクニックを聞いて、私はなるほどなあ、
これは素晴らしい考え方だなあ、と感心したんですね。
さて、そのテクニックとは、一体どんなものだと思いますか?
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● それも意味のある存在
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もし皆さんが、子供に絵本を読み聞かせるとしたら、一体どうしますか?
私だったら、ひょうしをみせて、次は内容が書いてあるページを開き、
最後まで読んで「めでたしめでたし」で終わります。
フツーは、こんな感じで読むんじゃないかと思うんですよ。
皆さんも、だいたいこんな感じじゃないですか?
しかし、聞かせ屋のけいたろうさんは違うんですね。
まず表紙をみせて、その次になんと
■ 表紙裏の無地のところもじっくり見せる
んですって。
専門用語で、見返し、というところだそうですが、そこには
文字も絵も、なんにも書いてなく、ただ、色のついた紙が
あるだけです。
でも、そこをも、じっくり見せるんだそうです。
「例えば、この本の緑時の部分ですね。
これをじっくり見せながら、緑の森の風景が、ぱぁーっと
広がっていく、というようなことを感じてもらうんです」
そんなお話をしながら、見返しを見せているんですよ。
そして、本編に入ってよみきかせを始めるんですが、
本文を読み終わっても、そこでは終わらないそうで。
というのは、
■ 最後の裏表紙も、必ず見せる
ということをするんだそうです。
なぜなら、裏表紙にも、物語が続いているからだそうで。
このふたつの話を聞いて、なるほど、この人すごいなあ、と
思ったんですね。
この世に存在している、全てのものには、無意味なものはない、
とよく言います。
この言葉は真実だと思います。
しかし、この言葉が真実だとしても、ひとつひとつのものに
意味づけをするのは、我々一人一人の人間であり、その
人間が意味づけをきちんとしなければ、そこにあるそれは、
■ 無意味な存在
に成り下がってしまうんですね。
私たちはおそらく、たくさんの意味あるものたちを、
無意味なものとして、処理してしまっているんでしょう。
今回登場したけいたろうさんは、普段読者があまり興味を
払わない、見返しと裏表紙に対して、意味を与えたわけです。
そして、今まで普通の人が見落としていた価値に目を向けさせる
ことで、その本のさらなる深みや広がりを、聞き手に与えることが
出来るようになったんですね。
今まで、無意味なものと処理してしまったものに、意味を与えると
言うことは、つまり何かと言えば、
★ 無価値だったと思われたものに価値を見いだす
ということになると思うんです。
そして、これもまた立派に、
★ 社会に価値を生み出す行為
になるんじゃないかと、私は想うんですよね。
あなたも、普通の人が見落としてしまうようなものに、
自分なりの意味を見いだして、価値をつけてあげるような、
そんな視点を、是非持ってくださいね。
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今日のトーク術・まとめ
一見無意味に見えるものに意味づけをして価値を生み出そう!
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今回のお話には、もう一つ、見逃せない示唆が含まれています。
それは、
★ 価値あるものの近くにあるものに意味づけできたら、
そこで生み出される価値は大きなものになる
ということ。
人はどうしても、わかりやすい価値ばかりに目を奪われ、
その周りにあるものを見落としがちです。
しかし、その価値本体をさらに意味深いものにするためには、
★ 価値の周辺にあるものに、きちんと意味づけをする
という行為が、非常に重要になったりするんですね。
セミナーの前後に行うことに、何かしらの意味を見いだしてみる。
重要と思われる仕事の、その周辺にある些末的な仕事に、
何かしらの意味を見いだしてみる。
こういうことを心がけていると、あなたがとりくんでいる価値の本体が
さらに大きな価値を帯びてくるようになるでしょう。
そんなところも、是非考えてみてくださいね。
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● 編集後記
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さて、今日はこれから、ポール・ポッツのコンサートです。
今、かみさんと一緒に、オーチャードホールの喫茶コーナーで
この原稿を書いています。
かみさん、ほったらかされています。かわいそうに(他人事)。
今、ストローが入った紙をいじいじしています。
手持ち無沙汰がうまく表現されていますね、って、
こんな余計なこと書いてないで、早くメール配信しろよ←俺
このコンサートの感想は、また明日のメルマガでお話ししますね。
さあ、もうすぐ本番です!!