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● かっ、体が……
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2006年8月8日。
私は生まれて初めて手術をしました。
手術は胆嚢除去手術。
胆石を患っており、時々発作でえらい苦しめられていたので、
手術でとってしまおうということとなったんです。
ただ、私の場合、胆嚢が変なくっつき方をしているせいか、
かなり大きくおなかを開かなければいけないということ。
ということで、おへその上15センチをすっぱり切り開く
手術と相成りました。
手術事態は順調だったようです。
私としては、麻酔がかかり、気を失った次の瞬間には先生に起こされ、
もう終わったの? といった感じ。
手術が終わると、体中に管が刺さった状態でベッドに横になっていました。
さて、そこからの1週間がもう大変でした。
少しでも体を動かすと、鈍い痛みが襲ってきます。
体を起こすこともままなりません。
話すことすらとてもつらい。
麻酔のせいで、尿意があってもおしっこが出ない苦しみにもおそわれ、
とにかくもう痛い・つらい・しんどいのオンパレードでした。
でも、私的には嘘でも負け惜しみでもなく、この闘病生活が
とても楽しい毎日でありました。
痛い・つらい・しんどい毎日が、なぜ楽しかったのでしょうか。
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● 何を見つめていくのか
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つらいこと、大変なことになってしまっても、
弱音を吐かずに明るく生きている人を見て、多くの人は
■ あの人は強い人なんだなぁ
という感想を漏らします。
私も以前はそう思っていました。
でも、そういう人にこの感想をストレートにぶつけてみると、
たいていは
■ いえいえ、私はそんなに強い人間ではないですから
と返されてしまいます。
私は、この言葉は謙遜なんだろうな、と思っていたんですが、
この時の手術の経験をへて、ああ、きっとあれは謙遜ではなく、
本音の言葉だったんだろうな、と思い直しています。
私自身、この時の手術は正直怖くてつらくて大変でありました。
なにせもう、上で書いたように、手術後にはあのような痛み・つらさ・
しんどさが、雪崩のように毎日襲ってくるわけですから。
とてもじゃないですが、自分自身のもつ強さに寄りかかって、
すべの苦痛に対処など出来ません。そんなに強い人間ではないですから。
しかし、苦しい思い、つらい思いはなるべく避けたい。
そう想った私が、必要以上につらさを味あわないようにするべく、
手術前に心に決めたことがあります。
それは、
★ 自分の変化を楽しもう
ということ。
手術直後は体が全く動かない。
しかし、しばらくすると、体が動くようになる。
麻酔が切れると、ものすごい鈍痛が襲ってくる。
しかし、翌日はその痛みが和らいでくる。
昨日は一歩歩くのもしんどかったのに、
今日は廊下の端まで歩くことが出来た。
おしっこがしたいのに、おしっこが出なくて苦しい。
でも次の日は、ちょろちょろとではあるけれど、
自分の意志でおしっこが出来た。
昨日は体に入った管が4本あったけど、
今日は1本減って3本になった。
こんな風に、
★ 以前よりプラスに変わったところを見つけ出す
ということを、毎日毎日やっていったところ、
とても楽しい毎日を過ごすことが出来たんです。
昔の私は、
■ つらいと感じていた一点を見つめて
大変だ、しんどい、つらい、とぼやいていました。
そして、つらいであろうことにもにこにこと取り組んでいる人を見て、
■ あの人はなんて強いんだろう
と思っていたのです。
だけど、今回の手術の時は、つらいと感じる一点を見るのではなく
★ そのつらさが、時間がたってどう変化したのか
というところばかりを注目していたわけです。
確かに苦しいくつらいことは多々あります。
それは強い人間であろうとそうでない人間であろうと、
誰でもそう感じること。
でも、意識だけは、そのつらい部分に目を向けるのではなく
★ ささやかながらでも成長した差の部分
を見つめることで、ずいぶんと心が軽くなり、明日もまた、
この成長の喜びを感じようという気持ちになってきます。
もし今つらくて大変な状態にあなたがいるのならば、
どんなに些細なことでもいいですから、昨日よりよくなった
ところを探し出して、そこに喜びを感じてみてくださいね。
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今日のトーク術・まとめ
つらい1点に注目せず、変化・成長の差に注目してみよう!
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おかげさまで、今ではすっかり元気になり、胆石の発作も
恐れることはなくなって、好きなものも食べられるようになりました。
おなかには大きな傷跡が縦にすぱっと通っておりますが、
私的には「体の傷は男の勲章」と、結構気に入っております。
しかし、大病をすると、本当にいろいろなことを考えさせられますね。
おかげさまで、私は、今日書いたようなことを思いつきましたが、
ほかにも、死生観、なんていう普段考えないようなことまで
考えるようになりました。
そういう意味では、こういった経験をしておいて
よかったなあ、と本当に思います。
現在闘病中の方は、快復後によりよい一歩が踏み出せるよう、
是非この時間を有効に使ってくださいね。
一日も早いご回復をお祈りします。
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● 編集後記
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しかし、手術を経験した人同士って、なんですぐに
意気投合できるんですかね。
研修の仕事で、たまーに会ってお話しする方がいまして、
その方とはさして親しい、というほどの関係でもなかったのですが、
たまたまその人が去年手術をしたよ、という話が出てきてから、
もう話が盛り上がってしまいまして。
移動の電車の中で、ずぅーっと話し込んでしまいましたよ。
胸襟を開いて話し合う、という言葉がありますが、
私たちは胸襟よりもさらにその奥まで開いた状態の
話をするわけですから、そりゃまあ、意気投合もしますわな。
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