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伝えたいことをきちんと伝えるには

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  ● 管理職のグチにはいつもの一言で
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管理職向けの企業研修などで、ほぼ毎回出てくる悩みというのが、
「あれだけ部下に言ったのにわかっていない」
というお話。
先日の研修でも、課長さんがぼやいていました。
参加者(以下【参】)「この間も部下の○○がミスをしまして」
水野(以下【水】)「ほうほう、それで」
参「あれほど言っておいたのに、やっておかなかったんですね」
水「なるほどなるほど」
参「あと、もう一人の部下の□□がいろいろ聞いてくるんですがね」
水「ふむふむ」
参「でも、そんなこともうとっくの昔に話しているはずなんですよ」
水「へえへえ」
……まあ、あんまり詳しくかけませんが、こんな感じで
部下に対しての不平不満がぼろぼろ出てくるわけであります。
私はしばらく聞いた上で、質問を投げかけました。
私「ところで△△さん、その話はどんなときにお話ししますか?」
参「それは、毎月一回の定例ミーティングの時には必ず話していますよ」
私「なるほど、ほかにはどんなときに話しますか?」
参「そうですねえ……。あとは毎週行われるミーティングの時に時々」
私「なるほどわかりました。ではちょっとご提案があるのですが……」
参「はい?」
いつもこんな話になると、私は判で押したように一つのことを
やってみてはとリクエストしてみるんですね。
私「これからは※※※※※※してください」
参「はぁ?!」
すると、参加者は、だいたい驚いた顔をしてしまいます。
さて、私はどんなリクエストをしているのでしょうか?
 


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  ● 伝えたいことを伝える簡単な方法
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お話変わって、毎度毎度の私のお話。
2002年の9月に私は禁煙をしました。
毎日3箱空にしていましたので、一日60本吸っていた計算になります。
そんな私が全くといっていいほど苦しむことなくたばこをやめられました。
そのやめ方のプロセスは、以前著書にしたためましたが、
そのプロセスの中で、一番自分自身に効果があったのが
「やめる理由をしっかりと確認する」
という行為でした。
禁煙に失敗した経験のある方ならきっとわかってもらえると
思いますが、最初にたばこをやめるということを決めて我慢
していても、苦しくなってくると、だんだんやめた理由なんか
どうでもよくなってくるんですよね。
昔の私も、こんな状態で何回も禁煙に失敗していました。
だからこそ、今回は
 ■ やめる理由を自分にしっかり落とし込むために
やめる理由を確認する行為を重視したんですね。
さて、ではどうやって理由を確認していたか。
それは
 ■ たばこが吸いたくなるたびに、その理由を確認した
のです。
ここで、皆さん考えてみてください。
私は1日に60本たばこを吸っていました。
ということは、そのやめる理由を1日60回確認し
続けたことになります。
さらに、本当にたばこをやめるまで1週間の準備期間を設け、
上に書いたことをその期間ずっと続けていたんです。
ということは、60回×7日間=420回、たばこをやめる理由を
確認し続けたんですよね。
やめる理由を明確にした上で、これだけの回数その理由を確認したら、
そうそうたばこを吸う気にはなりませんでした。
さて、話を戻して。
伝えたい、と思っていることが伝わらない人の話を聞いてみると、
たいていの場合
 ■ 伝えたいことを伝える頻度が圧倒的に足りない
ということがわかります。
本当に伝えなければいけない大切なことは、月に一回言ってる程度じゃ
伝わるわけなんかないんですよね。
本当に腹に落ちるまでは、手を変え品を変え、何度も何度も伝えていく
ことがとても重要なんです。
私も、もしたばこをやめる理由を作ったとして、そしてそれが
納得のいく理由を作れたとしても、その理由を確認する行為が
週に1回程度だったら、たばこをやめることは出来なかったでしょう。
何日もかけて、何百回と自分の意識の中にすり込むことをやっていき、
初めて腹から納得できたと思うのです。
ですから本当に伝えたいことは、
 ★ 相手が納得するまで、繰り返し何度でも伝え続ける
ということを、伝わったという手応えを感じるまで、
やってみてくださいね。
 
 
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           今日のトーク術・まとめ
     伝えたいことは、頻度高く、何度も何度も伝えよう
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 この授業では、知識や情報を提供するのではなく、知恵や考え方など、
 ビジネスの世界に出ていった時に通用する人間力を育てるために行う。
これは、専門学校で毎週授業を行うに当たって、一番はじめに必ず
生徒たちに話す言葉です。
この授業の目的、どこに焦点を当てて聞いてほしいか、そして
みんながどうなってほしいのか、ということを、授業のたびごとに
きちんと宣誓した上で始めていました。
さらに、授業の中で
「これを単なる情報として受け取るのではなく知恵として生かしてくれ」
「知ることだけでなく、実践することをして初めて考え方が身につくんだぞ」
と、ことあるごとに、授業のはじめに宣言したことに結びつけながら、
生徒たちに話をします。
1回の授業が90分、それを毎週1回。
これを1年続けていって、ようやく生徒たちに変化が生まれてきます。
変化が生まれるまで、しつこく、何度でも、大切なメッセージを
繰り返し発し続けているんですよね。
こうやって書くと、確かに大変なことのように見えてしまうかも
しれません。
しかし、辛抱強く伝え続け、それが相手にきちんと伝わった
手応えを感じると、とても気持ちがいいものですよ。
ということで、先の課長さんに言った一言とは
「△△さんの伝えたいと思っていることを日に10回以上、
手を変え品を変え、部下に伝え続けてみてください」
でありました。
 
 
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  ● 編集後記
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今日の話、かなり引いてしまう人もいるかもしれませんね。
おそらく昔の私だったら、もうドン引き、であります(汗)。
「なんでそんなことまでやらなきゃいけないんだ……」
って。
実際に研修中にそういう反応をされるときもよくあります。
特に顕著に「嫌だな」感が出るのが中高年層の管理職なんですよね。
私も同世代ですから、その感覚、とってもよくわかります。
ということで、次回は私とほぼ同世代の4,50代の
管理職の方向けに、今回のお話の続きをしてみたいと思います。
では、また明日お会いしましょう!
 
 
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