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「長所をほめて伸ばす」に潜む罠

おはようございます。水野です。
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さて今日は、最近あちこちで言われるようになった
「長所をほめて伸ばそう」
ということについて、考えてみたいと思います。
では、早速参りましょう!
 
 
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  ● M-1グランプリ、審査員の苦悩
─────
12月21日、毎年恒例となりましたM-1グランプリが
開催されました。
私も毎年楽しみにしている番組のひとつであり、今回も
ワクワクしながら見ていました。
選抜された8組+敗者復活で上がってきた1組の計9組。
やはり、芸人さんたちにとっても翌年を決める重要な
イベントということもあり、皆さん力が入っていましたね。
だから、この日のために、練りに練ったネタがバチッと決まった
コンビもいた一方で、緊張してうまくいかなかったコンビや、
力が入りすぎて、力みが目立ってしまったコンビなどもいました。
ところで、このM-1グランプリ、毎回お笑いの重鎮たちが
審査員として並ぶんですが、ここ数年の彼らのコメントが、
非常に柔らかいことに気づいた方もいらっしゃるでしょう。
点数も、ここ数年異常に低い点数というものは見た記憶が
薄いんですよ。
だいたい70点台が最低点、という感じで、今年は80点以下を
つけた人が一人もいませんでした。
コメントも、非常に好感を交えたものにしようという努力が
見えますし、実際、島田紳助さんもオープニングで
「今日はもう厳しいこと言わないでいきましょう」
といってましたから、きっと、優しくねぎらう、というコンセプトで
コメントいきましょう、という申し合わせがあったんでしょうね。
しかし、審査員の皆さんは、厳しく叩かれて育った世代のせいか、
ほめ方がぎこちないときもままありました。
特に、ネタがうまくいかなかったコンビに寸評を、というときの
困った顔は、ある意味、面白かったですね。
しかし、このほめようとする審査員のコメントを聞いていて、
若干の居心地の悪さも感じてしまいました。
一体それは、何だったのか、考えてみますと……
 
 


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  ● 「長所をほめて伸ばす」に潜む罠
─────
最近のビジネスの世界では、厳しいだけの指導ではいけない、
ということで、ここ数年
「長所をほめて伸ばそう」
という流れが生まれてきました。
今までしかり飛ばしてばかりいた年配の上司も、
慣れないほめ言葉をぎこちなく使いながら、一生懸命
長所を見つけてほめようとしているようですね。
しかし、ここで冷静に考えてみると、
 ■ ほめたり叱ったりする
ことと、
 ■ 伸びる
こととは、厳密な因果関係ってないと思うんですよ。
もっと言うなら、
 ■ 長所を伸ばしても伸びないケースがままある
ということも、押さえておく必要があるでしょう。
そもそも、ビジネスにおいて一番重要なことは何かと言えば、
それは紛れもなく『結果』であると言えましょう。
ほめるのも叱るのも、長所を伸ばすのも、どれもこれも全て
 ■ 望む結果を出すことが目的
であるということは、忘れてはいけないでしょう。
では、結果を出すためには何が必要なのか。それは
 ■ 結果を出すに当たって必要な一連の行動
であります。
ここで、その人の長所をひたすら伸ばせば、それに伴って
結果が出る、ということが分かっているのならば、その長所を
伸ばしていくことに力を注ぐといいでしょう。
しかし、いくら長所を伸ばしても、結果を出すプロセスの中で
大きなネックとなっている部分があったとしたら、その人は
長所を伸ばすだけでは、結果を出すことが出来ません。
その場合、そのネックを違う誰かに変わりにやってもらわない限り、
その弱みを克服しなければ、結果を出すことは出来ないでしょう。
つまり、「長所をほめて伸ばす」というのは、結果を出せる人
として育てるための方法のひとつでしかない訳ですね。
伸ばせば結果が出るような長所を見ずに、ダメなところばかりを
叱ってばかりいてもダメ。
ネックがはっきりあるにもかかわらず、そこに触れることを恐れて、
ささやかな長所ばかりを褒めちぎっていてもダメ。
叱るもほめるも、結局は数あるコミュニケーション方法のひとつ
でしかありません。
大切なことは、結果を出すために必要な強みを伸ばし、結果を
生み出す邪魔をしているネックを改善すること。
このことを、指導する側もされる側も認識した上で、適切な指導を
してあげてくださいね。
 
 
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           今日のトーク術・まとめ
 結果を生み出すために必要なことを見つけ、そこに指導の力を注ごう!
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M-1グランプリの場合、すでに経験もそれなりにあり、
相応の実力もあるわけですから、自分の出来については、
人からとやかく言われなくても分かるでしょう。
そんな状態で、うまくいかなかった人を変にほめてあげることは、
返って酷な気がします。
ほめるという縛りを説いて、もっと自由にコメントさせてあげたら、
きっと有意義な批評が聞けただろうと思います。
規定の4分間でいかに笑いを取るか、ということについて、
彼らの何が良く、何を改善すべきなのか。
松本さんや島田さんなら、かなり面白いコメントが聞けたんじゃ
ないかなあ、と思うと、残念でなりません。
今回のM-1だけでなく、ビジネスの現場でも、指導方法が
 ■ 「ほめる」と「叱る」しかない、
といったような風潮をとても強く感じるんですが、そんなこと
ありませんよね。
先ほどもいったように、「ほめる」も「叱る」も、指導時における
コミュニケーション方法のほんの一部でしかありません。
ぜひ、「ほめる」「叱る」に縛られて、本来の
「結果を出す人に育てる」
ということを忘れてしまわぬ様に指導に取り組んでくださいね。
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  ● 編集後記
─────
しかし、NONSTYLEはすごかったですね。
私は個人的にはナイツを応援していたんですが、
優勝がNONSTYLEというのは、納得せざるを
得なかったですね。
あのスピードと、そのスピードにちゃんと観客をついてこさせる
力が本当にすごい。
講師業でも使えるノウハウがいっぱいで、ホント勉強になります。
話変わって、我が家のネコブログ。家族で花見に行こうというお話。
期待にふくらむ日記はこちら
 → http://plaza.rakuten.co.jp/mrika/diary/200812220000/
しかし、速くも暗雲が立ちこめてしまい……
失意に落ちた日記はこちら
 → http://plaza.rakuten.co.jp/mrika/diary/200812230000/
……ていうか、あきらめ早すぎねーか? >かみさん
 
 
★☆ 現在、Biz.IDにて週1回連載しています!
 → http://www.itmedia.co.jp/bizid/mizuno_index.html

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