おはようございます。
水野です。
さて今日は、研修や個別相談などでよく聞く話について
考えてみたいと思います。
では、早速参りましょう!
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● 勝利を目指して戦う!
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若い方たちを相手にした研修に出向くと、時々
活きの良い参加者に出会います。
そういう人たちの中には、
■ 自分たちがいる組織を何とかしたい
という思いが強い人が結構いるんですよね。
確かに、右も左もわからない新入社員時代とは違い、
ある程度社会経験を積んでくると、社内の悪いところ、
改善したいところなども目についてきますよね。
ということで、その心意気やよし、なのでありますが、
そういった活きの良い人たちの多くは、組織改革に当たって
■ 悪しきものを倒そう
という気持ちが起きてしまうようです。
たとえば、その組織にいる責任者の考え方を正してやりたい、
とか、一方的なやり方を押しつける人に対して反旗を翻したい
といったように、何かしらバトルモードに入っていこうと
してしまうようなんです。
確かに活きの良さ故に血の気も多いのか、そういう気持ちに
なるのもわからないでもありません。
それに、私自身も、20代の頃はそんな勢いで上司にぶつかって
いったことは多々ありましたし。
でも、この年にして思うのは、組織改革をするということは、
戦いではないんじゃないかな、ということなんですよね。
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● 組織改革は戦いではない
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話は15年ほど前にさかのぼり、私が会計事務所に
勤め始めた頃の話。
入った当初の事務所は、一匹狼の集団。
簿記の勉強だけしかしたことが無く、実務経験ゼロの私としては、
出来れば誰かの下について、実務の勉強をさせてもらいたい
ところでした。
しかし、直接の上司というのはいきなり所長となってしまい、
多忙な所長は、当然ながら具体的な実務などを教えてくれる
はずはありませんでした。
私は、最初一人で頑張っては見たのですが、何にもわからない
状態の中、誰からも教えてもらわずに仕事を覚え、締め切りに
間に合わせるのは不可能と思えるものでした。
こんな時、20代の私だったら、
「こんな体制はおかしい!」
と所長にギャンギャン噛みついていたところでした。
まあ、元々血の気は多い人間なので、そのときも多少は
噛みついてもみたのですが、なかなか環境など変わりません。
ではどうすればいいか。
そのときの私は、
★ 組織変革に協力してくれる仲間作りをしよう
ということを考えたんですよね。
で、身近にいる先輩社員や、同期で入ってきた人などに
すり寄っていきながら、少しずつ仲間を増やしていったんです。
で、もっとこんな事務所になったらいいね、あんな事務所に
なったらいいね、といったことを話しながら、仲間たちを
増やしていきつつ、出来るところは勝手に既成事実を作り上げて
行くようなことをやっていったんです。
その結果、というわけでもないのでしょうが、一匹狼集団の
事務所に、チーム制がひかれ、上の人間が下の人間の面倒を
みる、という体制に、2年がかりでなっていきました。
コミュニケーションがへたくそで、人間関係作りが上手では
無かった当時の私が、こういった組織変革に多少なりとも
影響を及ぼすことが出来たのも、
★ 敵を倒すのではなく、仲間をたくさん作っていこう
という考え方がベースにあったからだと思うんですよね。
もしあなたが、会社を変えてやろうと思って、それでもなかなか
うまくいかないなあ、と思っていたなら、今回お話ししたように、
「仲間作り」というマインドで取り組んでみてはいかがでしょうか。
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今日のトーク術・まとめ
組織改革は、敵を倒して成すのではなく、仲間を作って成していくもの
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働いている中で、意思疎通がうまくいかなかったり、思ったことと
違う指示がきたりといったことがあって、悶々としてしまうことは
よくあります。
そうなってしまうと、人間不思議なもので、そんな気持ちにさせる
人を敵視してしまう気持ちが芽生えてくるんですよね。
でも、そんなときは、こう考えてみて下さい。
★ 会社の中には敵はいない。自分と考え方の違う味方しかいないのだ
そもそも、会社というのは、目的をひとつにした人たちの集団です。
であるならば、社内には敵はいないはずなんですよね。
なのに、考え方ややり方が違うと、ついついこの原則を忘れ、
敵視して対立してしまうんですよね。
こうなると、組織で活動して結果を出す、ということが
出来なくなってしまいます。
それは、あなたも望むところではないでしょう。
だからこそ、組織改革というのは、敵を倒す発想ではなく、
仲間作りの発想をこそ、もって欲しいと思うんですよね。
「いや、そうはいっても実際には、会社を悪くする敵もいるんだ」
という人もいることでしょう。確かに、そういう事実もあります。
であるなら、なおのこと、そういった敵をきちんと退治するだけの
力を身につける必要がありますよね。
ならばなおさら、まずは味方作りに精を出した方が良いんです。
息の合う人、会社が良くなることを真剣に考えている人と
一緒に、敵を倒そうという発想ではなく、もっとこんな環境に
していこう、こんな仕組みを取り入れよう、といったことに
エネルギーを注ぐんです。
要するに、会社を思う人たちが、影響力と存在感を高めていくことに
まずはエネルギーを注ぎましょう、というわけです。
そうして、仲間が増えて、組織の環境や雰囲気が変わってくると、
敵も変わって仲間となるか、居づらくなって消えることでしょう。
敵を憎んで倒すことにエネルギーを使うよりも、このほうが
よっぽど生産的で効果があると思いますよ。