リーダーに求められる力とは何か? と問うと、多くの人が、
・行動力
・実践力
・牽引力
・発言力
・指導力
……etc……
などと答えます。
しかし私は、これからの時代に絶対に外すことが出来ない、リーダーが持つべき一番大切な力は、
・受容力
に尽きると思っています。
多様な価値観を受け入れ、多種多彩な能力を受け入れて、集団をまとめながら、メンバー達の能力を最大限に発揮させていく力。
そして、時代の変化を受け入れ、自分たちの集団が、その時代にどのような価値を提供していけるかを偏見を持たずに考えることが出来る力。
これが、これからの時代に生きるリーダーに求められている力となります。
そのキーとなる力が、「受容力」なんですよね。
逆に言えば、最初に上げたいくつかの力は、必ずしもリーダーが持っている必要のある力ではありません。
要するに、それらの力を持つメンバーに、それを任せてしまっても良いものなのです。
でも、受容力だけは、リーダーが持っていないと、まとまりのある集団が出来上がりません。
しかし、こんなことを言うと、それは甘いのでは無いか、といって、受容することに対して否定的になる人がいます。
まあ、たしかに、受容力ではなく、牽引力や実行力を駆使した方が、成果や結果が早く出ることはよくあるでしょう。
また、数ヶ月から数年程度の、短期間の結果を出すだけならば、受容力など無くても良いかもしれません。
けれど、ベースにリーダーの受容力が無い集団は、最終的には、成果の代償として、
・メンバーのモチベーションの低下
・人間関係の悪化
・心身の疲弊
・集団からの離脱
といった形で現れてきます。
そういう事例は枚挙にいとまがありません。
そうやって、メンバーを道具のように使い捨ててでも、結果さえ出ていれば良い、という考えの方ならば、それはそれで構いません。
しかし、そうでないのならば、まず自分自身の受容力を高めることに、気持ちを向けていきましょう。
では、どうしたら、自分の受容力が高まるのか。
受容力の低い人の共通した特徴は、
■ 過去から現在にかけての自分自身を受け入れられていない
ということが上げられます。
他人を目の前にしたとき、人というのは、その相手をみているように見えて、実は、無意識のうちに、
■ 受け入れられない自分自身の姿
を見ているケースがよくあるんですよね。
だから、過去から現在に至るまでの自分自身をきちんと振り返った上で、その自分自身を、ちゃんと受け入れてあげる必要があるのです。
それが出来たとき、あなたの受容力は、グンと上がるでしょう。
私自身、過去の自分が許せず、それを否定することで、一時は成長のエネルギーを得ていました。
講師を始めた頃も、しばらくはそのような状態で、頑張ってきたんですが、過去の自分に似ている方が参加者にいると、気持ちが乱れてしまうことがよくありました。
なので、自分自身を徹底的に棚卸しをして、過去の自分をひとつひとつ認めてあげ、受け入れてあげました。
その結果、昔のような自分をみると、以前とは違って、不快感ではなく、愛おしさを感じられるようになりました。
そうなってみて、改めて受容度の高い人と話をしてみると、自分自身を肯定的に受け入れている人は、他人に対しての受容力も総じて高いようです。
ということで、ご自身の受容度が低いなあ、と思っている方は、ぜひ、自分の過去を棚卸しして、過去の自分を受け入れてあげてくださいね。