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できない人の育て方

おはようございます。水野です。
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さて今日は、ある学校の先生の、教育方法について
考えさせられたことをお話ししたいと思います。
では、早速参りましょう!
 
 
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  ● さかなクン、ふたたび
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ネットで見つけた、素敵な先生のお話です。
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小学生のとき、少し知恵遅れのA君がいた。
足し算、引き算の計算や、会話のテンポが少し遅い。
でも、絵が上手な子だった。
彼は、よく空の絵を描いた。
抜けるような色遣いには、子供心に驚嘆した。
担任のN先生は算数の時間、解けないと分かっているのに
答えをその子に聞く。
冷や汗をかきながら、指を使って、ええと・ええと・と
答えを出そうとする姿を、周りの子供は笑う。
N先生は答えが出るまで、しつこく何度も言わせた。
私はN先生が大嫌いだった。
クラスもいつしか代わり、私たちが小学6年生になる前、
N先生は違う学校へ転任することになったので、全校集会で
先生のお別れ会をやることになった。
生徒代表でお別れの言葉を言う人が必要になった。
先生に一番世話をやかせたのだから、A君が言え、
と言い出したお馬鹿さんがいた。
お別れ会で一人立たされて、どもる姿を期待したのだ。
私は、A君の言葉を忘れない。
「ぼくを、普通の子と一緒に勉強させてくれて、
 ありがとうございました」
A君の感謝の言葉は10分以上にも及ぶ。
水彩絵の具の色の使い方を教えてくれたこと。
放課後つきっきりでそろばんを勉強させてくれたこと。
その間、おしゃべりをする子供はいませんでした。
N先生がぶるぶる震えながら、嗚咽をくいしばる声が、
体育館に響いただけでした。
数年後の昨日、デパートのポストカードの中に
美しい水彩画と、A君のサインを見つけました。
N先生は今、僻地で小学校で校長先生をなさってます。
先生は教員が少なく、子供達が家から
2時間ほどかけて登校しなければならないような
過疎地へ自ら望んで赴任されました。
N先生のお家には毎年夏にA君から絵が届くそうです。
A君はその後公立中高を経て、美大に進学しました。
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本当に、素晴らしい先生ですね。
しかしながら、ただのいい話として感動するだけでなく、
この先生の教育は、実に考えさせられるものがありました。
 
 


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  ● できない人の育て方
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N先生は、少々知恵遅れであるA君に対して、できないことを
できないままとせず、忍耐強く教えていきました。
こうやって、できない子を一生懸命育てようとする
先生は、少なからずいると思うんですよ。
しかしながら、ここで私がうなったポイントは、
 ★ N先生の想いが、A君にきちんと伝わっていた
ということ。
生徒に対して、厳しく接しているにもかかわらず、
先生の想いがきちんと伝えられていない先生というのは、
とっても多いように思います。
では、なぜN先生の想いが、A君に伝わったのか。
再び、小学校のお別れ会に時間を戻し、先生の
スピーチを聞いてみましょう。
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お別れ会でのN先生の挨拶が思い浮かびます。
「A君の絵は、ユトリロの絵に似ているんですよ。
 みんなはもしかしたら、 見たこと無いかもしれない。
 ユトリロっていう、フランスの人でね、
 街や 風景をたくさん描いた人なんだけど。
 空が、綺麗なんだよ。
 A君は、その才能の代わりに、
 他の持ち物がみんなと比べて少ない。
 だけど、決して取り戻せない物ではないのです。
 そして、A君は それを一所懸命自分のものにしようと
 しています。
 これは、簡単なことじゃありません!」
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いかがでしょうか。
ここには、だめなところを何とかしてやろうという気持ちや、
単に長所を伸ばせばいいといったような、底の浅い考えではなく、
 ★ 長所を認めつつ、できないところも、成長する可能性を信じていた
ということ、そして
 ★ そこに取り組む努力に対して、最大限の敬意を示していた
ということなんですよね。
厳しく接しようが、優しく接しようが、そんなことは教育方法の
ほんの上澄みにしか過ぎません。
それ以上に重要なことは、
 ★ 教えるという行為に対しての、生徒との信頼関係を築く
ということだと想うのです。
N先生の想いは、A君に対してきちんと伝わり、A君は最大限の
努力で、その想いに答えました。
おかげで、最初は知恵遅れだと言われながらも、大学まで
無事卒業し、画家としての人生を歩んでいるのです。
N先生の元に毎年届く絵。
そこに描かれている空は、N先生が作り方を教えた、
美しいエメラルドグリーンだそうです。
 
 
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           今日のトーク術・まとめ
   教える人の成長の可能性を信じ、努力に敬意を表しているか?
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人を育てる、という話になると、ついつい、
 ・優しく育てるべきか、厳しく育てるべきか、
とか
 ・短所を補うべきか、長所を伸ばすべきか
といった話になってしまうことも多いですが、
実は、これは表層的な話なんですよね。
それ以前に、信じることと敬意を表することができ、それが
相手に伝わっていなければ、どんな素晴らしい方法を採っても、
ほとんど意味がないと想うのです。
また、時々、
「いつか分かる日が来るはず」
という想いを持って人を育てようとするケースがあります。
もちろん、教えることが、すぐにその場で理解できないことも、
多々ある話であります。
ですから、焦らず、分かる日が来ることを信じて教えることも
必要となります。
しかし、可能性を信じていることと、敬意を表していることは、
今、この場で分かってもらう必要があると、私は思います。
だから、たまに、
「俺がどれほどおまえを愛していたか、いつか分かる日が来るはず」
といっている人がいたりしますが、これはまずいと思うんですよ。
未来に花咲く教えというものを、きちんと相手に根付かせようと
する場合などは特に、
 ★ それを教えるときに、きちんと信頼関係が築けているか
ということが重要になります。
その信頼関係の構築まで、先送りしていては、きっと伝えるべき
ことも伝わらず、
「あいついやな先生だったな」
ということだけしか残らないことにもなりかねないでしょう。
人を育てるときは、まず一番はじめに必要なことが信頼関係作り
だと思います。
そのためのひとつの方法である、
「成長の可能性を信じ、努力に敬意を表する」
ということに、是非取り組んでみて下さいね。
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  ● 編集後記
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横内会長の考えの神髄が学べます。
また、横内会長を支える方たちの話も聞け、こちらもまた
とても勉強になります。
私も、昨年この合宿セミナーに参加しましたが、
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横内会長の人柄に、時間をかけて触れ続けて頂き、
本物と言われる人を、是非身近に感じて見て下さい。
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さて、昨日の我が家のネコブログ。
啓介、あつみ♂への指導がスパルタ過ぎ(笑)
 → http://ameblo.jp/keisukeatumi/day-20090909.html
 
 
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このメルマガは、出来るだけ新鮮な気持ちをお届けしたく、
基本的に毎日書きためをせずに書いております。
新鮮さが売りであるがゆえ、時には体調が万全でないときに
書くこともありますし、時間に追われ、慌てて書くこともあります。
そのせいか、時々文章がおかしかったり、誤字も多いのが玉に瑕の
メルマガでありますが、毎日、その時の想いをタイムリーにお届け
する、というところを一番大事にしたいと考えておりますので、
そのあたりは、どうかご容赦下さいませ。
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