最近、自分の頭で考えない人が増えている、といわれているとか。
また、リーダー層に対して行う企業研修などでは、受講生から、自分の部下にきちんと考えさせるためにはどうしたらいいか? といった質問を頂く事も少なくありません。
そこで今回は、考えられる人を育てる方法について考えてみましょう。
まず、考える、とは何か。大辞泉には、このように定義されています。
※以下抜粋
1 知識や経験などに基づいて、筋道を立てて頭を働かせる。
㋐判断する。結論を導き出す。
㋑予測する。予想する。想像する。
㋒意図する。決意する。
2 関係する事柄や事情について、あれこれと思いをめぐらす。
3 工夫する。工夫してつくり出す。
こうしてみると、考える、という言葉の範囲は、結構広いですよね。
ここから、まず一番始めに重要な事が浮かび上がってきます。
それは何か、というと、
■ あなたがその人に求めている「考える」とはなにか?
ということです。
判断して欲しいのか。
結論を出して欲しいのか。
予想して欲しいのか。
想像して欲しいのか。
決意して欲しいのか。
あれこれと思いを巡らせて欲しいのか。
工夫して何か作りだして欲しいのか。
具体的にあなたが何を求めているのかを、まず明確にしないと、あなたが求めるような考えられる人間に、相手は育ちません。
考える、という言葉は、結構便利な反面、使う側が、まさに「しっかり考えて」使わないと、相手にいくら「考えろ!」と言っても、期待通りに考えてはくれないでしょう。
まずは、あなたが求めている「考える」は、何を意味するか、相手に考えろ、というまえに、まず自分自身で明確にして下さい。
そして、相手に「考えろ」というときは、この考えろ、という言葉は、何を意味するのかを明確に伝えること。
そうすると、何が起きるか、というと、安易に他人に
「もっと考えろ!」
とは言わなくなるはずなんですよね。
判断して欲しければ「判断しろ」と。
結論を出して欲しければ「結論を出せ」と。
予想して欲しければ「予想しろ」と。
想像して欲しければ「想像しろ」と。
決意して欲しいければ「決意しろ」と。
あれこれと思いを巡らせて欲しければ「思いを巡らせろ」と。
工夫して何か作りだして欲しければ「工夫してやれ」と。
今まで考えろ、といっていたところの言葉が、このように変わってくるはずです。
そうすれば、相手も、「自分が何を考えればいいか?」ということがわかってくるので、具体的に頭を働かせることが出来るようになります。
「いや、それくらい忖度して考えてよ」
と思われるかもしれませんが、それが出来ない人間に、それを求めてもお互いストレスがたまるだけ。
是非、考えろ、という抽象的な言葉を使わず、自分が何を求めているのかを明確にし、それを相手に、明確に伝えるようにしましょう。
次回も、考えられる人を育てることについて、考察を深めていきます。
今日のまとめ
考える、という言葉は抽象的である
考えろ、という前に、自分が求める「考える」を明確にする
その上で、相手には「考えろ」ではなく具体的なりクエストをしよう