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100点満点で20点の人を育てる考え方

今日は、育てなければ行けない人に
向けてだけでなく、自分の未熟さ、
無力さ、無能さに悩んでいる人に
向けてのお話。

今ここに、100点満点で合格のテストで
20点取った人がいたとします。

この人を育てるに当たって、あなたは、
この事実を、どう受け止めますか?

以前の私は、

「100点満点のテストで20点しか
 取れないのか! 
 80点も足りないヤツなのか!
 ダメなヤツだ!」

と受け止めていました。

そして、その人に対して、ダメなままでは
いけないと思いながら、脱・ダメなヤツを
目指して、叱咤しながら育てていました。

しかし、それで上手く言ったかというと、
ハッキリ言って、失敗でした。

叱咤して育つ人は、根は負けず嫌いの人で
頑張り屋なんですよね。

そういう人は、6~70点は取るけれど、
20点取るような人の中には、ほとんど
いません。

そんな人に、

「お前は合格点100点のテストで、たったの
 20点しか取れていないんだぞ!
 
 80点も足りないところがあるんだぞ!!」

と接するとどうなるか。

ほとんどの人が、自分はダメなヤツだ
という気持ちを強めて、やる気を失っ
たり、あきらめてしまいます。

だから、20点の人を叱咤して育てようと
すると、ほとんど脱落していってしまうん
ですよね。

また、育てる側の自分も、出来ないところに
気持ちが向くので、終始イライラし続け、
ストレスもかなり溜まりました。

なので、あるとき、考え方を改めました。

「今の20点が、彼のベストである。
 その彼には、80点の伸びしろがあるのだ」

と。

つまり、今のその人を、ジャッジせずに
そのまま受け入れること。

その上で、その人の伸びしろを信じて、
その伸びしろを伸ばすようにして行こう、
と考え方を変えたわけです。

すると、まず始めに、自分自身に変化が
出ました。

20点の人を見ても、イライラしなく
なったんですよね。

確かに、今の彼は、合格点からはほど遠い。
でも、それが今の彼のベストであるならば、
それはそれで受け入れよう、と。

まあ、最初は「仕方ないなあ」という気持ち
にもなりましたが、それでも、その状況を
否定せずに受け入れる。

ただ、仕方が無い、といっても、育てる
ことをあきらめたわけではありません。

なぜなら、その人には伸びしろがある、
という事も信じていますから。

だから、20点は20点で仕方が無いけれど、
この20点を、どうやって21点22点にして
以降かな、という事を、イライラせずに
考えられるようになりました。

そうなってくると、指導の方法も変わって
きます。

20点の人に、いきなり高望みをしなくなり
ますから、教え方も、その人のレベルに
合わせて教えるようになります。

以前は、高望みをしましたし、低いレベル
に合わせて話すのは、相手をバカにする
ことにもなる、という思い込みで、

「これくらいの言い方でわからなきゃ
 ダメだぞ!」

と思いながら、こちらが期待するレベルで
ないと理解できないものの良い方をして
いました。

で、当然のことながら、それでは相手が
わからないので、さらに、イライラする、
という、客観的に見たら、コントのような
ことを事をやっていましたからね。

でも、相手の今のレベルを受け入れ、
それに併せて話をしていくと、相手も
こちらの話を理解して受け入れて
くれるので、少しずつ成長していって
くれます。

そして、成長の勢いがつくと、最初は
成長の伸びがユルい人も、けっこうな
確率で、どんどん加速して成長して
いってくれるんですよね。

ということで、もしあなたが、20点の人に
イライラしながら、それでも上手く育て
られていないのならば、

または、自分が20点くらいの能力しか
無いと落ち込んで自分を責めているならば、

まずはその20点を受け入れて、80点は、
欠点ではなく、伸びしろだと考え、
その伸びしろを、どうやって伸ばそうか、
という考え方に切り替えて行って下さい。

少なくとも、無駄なストレスで、自分を
苦しめなくなりますよ。

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