おはようございます！ 水野です。
研修などで、若い世代の受講生たちと話をしていて
たまに、
「どうやったら、仕事を任せてもらえる様になるんですか？」
という質問をされることがあります。
この間も、受講生の佐々木さん（仮名）から
この質問を受けました。
佐々木さんは、血気盛んな雰囲気で、やる気もみなぎる、
アグレッシブな性格のよう。
もちろん、仕事を任されるように、一所懸命に仕事を覚え、
前向きに仕事に取り組んでいるようです。
当然のことながら、自分じゃ良い仕事が出来ると思っているし、
その自信を裏打ちするだけのスキルも身に付けている。
しかし、なぜか上司は自分に仕事を任せてくれない。
それどころか、その上司は、自分よりもスキルが低い
同僚に仕事を任せている。
自分じゃできる限り良い仕事をしているつもりなのに、
上司の期待を越える仕事をしているつもりなのに、
なぜか仕事を任せてもらえない。
いったいどうしたら良いんでしょうか？ と言う訳です。
この話を聞いたときね、もうね、
「ああ、昔の自分そっくりだなぁ」
と、懐かしくなってしまったんですよね。
十数年前の自分も、
「君に全て任せるよ」
と上司に言われたくて、しゃかりきになっていたんですよね。
でも、残念ながら、サラリーマン時代は、そんなことを
上司に言われたことはありませんでした。
独立直前は、在籍数自分のみ、という部署を持って、
そこの切り盛りを全部自分でやっていましたが、
こちらは、任された、というよりも、自分がやりたい
と言いだして、無理矢理やらせてもらったようなもの。
決して「水野に全て任せるよ」と言われて受けた仕事じゃ
無いんですよね。
そんなことを思い出しながら、私は佐々木さんと、
こんなお話をしました。
水「そっか、上司から仕事を任されたいんだね」
佐「はい！ 『君に全て任せるよ』っていわれたいんです！」
水「なるほど。私も昔はあなたのように、仕事を任せて欲しくても
任せてもらえずに悔しい思いをしたことがたくさんあるよ。
でも今は、『水野さんに全てお任せします』といわれる
ケースがほとんどなんだよ」
佐「うらやましいです！ 相当頑張って良い仕事をしたんですよね！」
水「うーん……実は、その考え方こそが、自分に仕事を
任せてもらえない、大きな理由なんだよね」
佐「え？」
水「私も昔は、『良い仕事をすれば仕事を任せてもらえる様になる』
と思い込んでいたんだよ。そしてそれはもちろん間違ってはいない」
佐「……」
水「でも、仕事を任されるようになるには、それだけじゃダメ」
佐「な、なんでダメなんですか？！」
水「その前に聞きたいんだけど、もし仮に『君に全て任せた』
と言われて仕事を任されたら、あなたはどうする？」
佐「そりゃあもちろん、精一杯良い仕事をしようと取り組みますよ」
水「仕事が完了するまでの間、上司とはどんなコミュニケーションを
するつもりなの？」
佐「そりゃあ、自分の能力を信じて、全て任せてくれたんだから、
できる限り、自分の意志と判断でやっていくつもりですが……」
水「そうだよね。そう思うよね。私も以前はそう思っていたよ。
でも、そう思っている限り、仕事を任される、なんてことは
絶対にないんだよ」
佐「？？？」
水「今の私は、さっきも言ったとおり『水野に全て任せる』
と言ってもらえるような仕事が出来るようになった。
でも、今の私は、昔の私と違って、ものすごく頻繁に、
仕事を任せてくれた人と、コミュニケーションをとっているよ」
佐「なぜですか？！ だって、全て任されたんだから、
そんなに頻繁にコミュニケーションをとる必要なんか
無いじゃないですか？！
逆に、任されたのにそんなことしてたら、返って迷惑じゃ
ないんですか？！」
水「仕事を任せる上司の立場に立って考えてみてごらん。
上司はいったい何を望んでいるだろう？」
佐「そりゃあ、依頼した仕事が高いクオリティで仕上がって
くることですよね」
水「もちろんその通り。だけど、その仕事が仕上がるまで、
上司はどんな気持ちでいると思う？」
佐「そりゃあ、全てを任せてくれたんだから、自分の事を
信じている、という気持でいるんじゃないですかね？」
水「そうやって、なんの報告もされずに相手を信じて
心穏やかに待ち続けられる上司は、よっぽどの大物か、
無責任きわまりないかの、どちらかだと思うよ」
佐「でも、その部下を信じたからこそ、その上司は
依頼した仕事の全てを任せたんでしょ？」
水「そのとおり。だけど、その信頼はどうやって
獲得したんだと思う？」
佐「その人の能力でしょ？」
水「それは必要最低条件。それ以上に必要なものがある。
それは、
★ 『自分の意向を理解して仕事をする人だ』という安心感
これを相手に与えていないと、相手からの信頼を
獲得することは、まず出来ない」
佐「……」
水「いくら能力が優秀でも、その人が望んでない意向で
仕事をしてしまったら、ありがたいどころか迷惑
この上ない。
だから、他人に仕事を任せる人は、能力以上に、
『その人は自分の意向をきちんと汲んでくれる人だろうか？』
というところを見定めようとするんだよ」
佐「……そう言われるとそうですよね……」
水「でも、昔の私は、そんなこと、これっぽっちも考えず、
『オレの能力を見てくれ！ そして仕事を全て任せてくれ！』
っていう気持ちでいたんだよね。
だけど、結局、そんな気持ちで働いていたときには、
『君に全てを任せるよ」なんて言われたことは無いんだよ」
佐「……今の自分、そう思ってました……」
水「でも、その後成長して、人の気持ちが分かるようになって
来たら、それじゃあ全然ダメだということが分かったんだよね。
だから、仕事を依頼されたら、相手の意向を一生懸命汲み、
仕事の途中でも、自分が取り組んでいる方向が、相手の意向と
合っているかどうかを常に確認しているんだよ」
佐「でも、そんなに頻繁に質問したら、うるさがられませんか？」
水「もちろん、どうでもいいような些末的な質問を、
忙しいときに頻繁にされたらうるさがられるよね。
でも、今後の仕事の完成形が大きく変わる可能性のある
選択を決断するときや、相手の期待を越える仕事を
しようとする場合、また、相手の意向が不明確である
ときなどは、必ずコミュニケーションをとるよね」
佐「そこも含めて『全て任させた』という事じゃないんですか？」
水「もちろんそうなんだけど、そう言われるだけの信頼を
獲得するまでは、今言ったようなコミュニケーションを
とることに時間をかけているよ。
そうやって行くうちに、
『ああ、この人は本当に自分の意向を知り尽くして
仕事をしようとしてくれるんだなあ』
と思ってくれたときに、『あなたに全て任す』という
ことを言ってくれるようになるんだよ。
で、そこまで信頼されたとしても、私は、相手との意向を
摺り合わせるコミュニケーションは、出来るだけとる
ようにしている。
で、そういうことを続けて行くうちに、
『あの人に任せておけば、自分の意向に沿ったものが
確実に出てくるから、安心していられる』
という気持になって、今まで以上に仕事を任せて
もらえることになるんだよね」
佐「……そうか。僕は、良い仕事をする事に気持ちが向きすぎて
しまい、上司を安心させよう、という気持がありませんでした。
でも、確かに安心出来ない人には仕事を任せられませんよね」
水「そうそう。だから、佐々木さんも、自分の能力を磨く以上に
上司の意向をきちんと理解し、その意向に答えるような
仕事ぶりを、上司に見せてみようよ。
そうすれば、能力の高い佐々木さんのことだから、きっと
上司はあなたに仕事を任せてくれるようになるよ」
佐「分かりました！ これからは、頑張り方を間違えないよう、
上司の意向を徹底的に理解しながら仕事してみます！」
……という事で、佐々木さんは当初の不満顔が消え、スッキリした
顔で戻っていったのでありました。
もしあなたが、昔の私や佐々木さんの様に、仕事を任せて
もらいたいのに、なかなかそうならなくて悩んでいるならば、
是非、今回のお話を参考にして下さいね。
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中小企業のための自律分散協調型組織・実践講座
http://www.belicoun.co.jp/seminar/
※ 対象は、中小企業の経営者の方たち向けとなっています
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● 編集後記
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かーちゃん、無粋な……
254：彼氏いない歴774年：2012/10/31(水) 21:16:57.98 ID:dgW2J5VC
近所の親子
子「トリックオトリート！お菓子くれなきゃイタズラするぞ！」
母「あんたオヤツあげてるのに毎日イタズラするじゃないの！
バカ言ってないで早く家に入りなさい！」
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