おはようございます。水野です。
本題に入る前のお知らせであります。
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さて今日は、セブンイレブンの店長を務めていた頃の思い出話を
お話ししたいと思います。
では、早速参りましょう!
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● セブンイレブンの思い出
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今からおよそ15年以上前の話ですが、当時私は勤めていた会社の
運営するセブンイレブンで,雇われ店長をしていました。
セブンイレブンは、当時もコンビニ業界では先頭を走っていて、
発注システムから、商品管理、商品配送に至るまで、非常に
高いレベルでオペレーションできました。
当時で確か、朝の10時に発注したお弁当は、夕方の17時に
届けられるといった感じで、発注から納品までのタイムラグが
かなり短かったんですよね。
そういった、バックヤードのサポートがかなりしっかりしている
反面、運営の指導も、なかなか厳しいものがありました。
その中のひとつで、未だによく覚えている話があります。
ある日、うちのお店担当のFC(本部の指導員)がやってきて、
「鈴木会長から厳命が下りました。今後は、牛乳を後入れ先出しの
レイアウトに変更してください」
といいました。
私は、びっくり仰天。
「そんなことできるか!!」
と、思わず叫んでしまったんです。
食品流通業に詳しくない方のために説明しますと、牛乳って、
賞味期限が結構短いんですね。
そういった、賞味期限がある商品の陳列は、基本的には
先入れ先出し、という並べ方をするんです。
先入れ先出しとは、つまり、手前に日付の古いもの、そして
奥にいくほど日付が新しくなるように並べるというもの。
賞味期限切れが近い商品ほど、早く売らないとお店はロスを抱えるので、
そういう商品はなるべく早く買ってもらうように、手前に置くんです。
ところが、後入れ先出しとは、これと全く逆のこと。
つまり、新しい商品を手前に置いて、古い商品を奥に置く訳です。
だから、お客さんは新しい商品の方を先に買っていくんですね。
これが、お店側の人間からみると、いかにとんでもないことか、
わかっていただけるでしょうか。
なぜなら、こんなことをしていたら、商品廃棄を増やすことに
なってしまうからなんです。
みすみす、お店の廃棄ロスを高めるような陳列をして、
損害を増やすようなことを、本部が強要してきたわけです。
だから、「そんなことできるか!!」と叫んでしまったんですね。
しかし、鈴木会長曰く、この考え方でないと、お店は
いけないんだと言うわけです。
その心は……
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● お店の都合・お客様の都合
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なぜ、店側に不利な後入れ先出しを、あえてやるのか。
鈴木会長はこう語ったそうです。
古い商品が先に売れたらいいと言う店側の一方的な都合を
お客様に押しつけていいものなのだろうか。
お客様は、新鮮な商品を求めている。
事実、店に行くと、主婦が陳列棚の奥に手を入れて、
製造日の新しい商品を選んでかっている風景をよく
見るではないか。
であるならば、新鮮な商品を優先的に提供する努力をするのが、
店側の努めではないか。
だから、後入れ先出しで商品を並べるのだ。
できるだけ、新鮮な商品をお客様に提供したい、という
姿勢をお店の陳列によって作るのだ。
それが、お客様のためのお店なのだ。
こんなことを言うと、きっと反論してくる人もいるだろう。
「そんなやり方では廃棄ロスが増えてしまう」と。
しかし、廃棄ロスを減らす努力は、古い商品から買って
いただく、という、お店の都合をお客様に押しつけることに
よってやるべきではない。
店側がとるべき廃棄ロスの努力とは、商品の発注精度をあげて、
適量の商品を適切に店舗に陳列することなのだ。
今の店舗は、発注があまりにずさんである。
ずさんな発注法のしわ寄せを、古いものから買っていただく
という、店側の都合をお客様に押しつけることによって回避する
という考えが、そもそも間違っているのではないか。
適量の商品を適切に陳列できるよう、私たち本部は、
一商品ごとの販売データを、1時間単位の実績値で
確認することができるシステムを提供している。
また、生鮮品については、1日に数回発注発注でき、なおかつ
納期までのタイムラグを十数時間まで短縮している。
さらには、牛乳一本から、弁当一つからという小ロットでの
注文にも対応できるように体制を整えているのだ。
お客様に対して、最高のお店になるように作り上げる努力を
怠り、自分の身勝手な都合を押しつけることで店の利益を
守ろうとすることが、最終的には店にとって一番の不利益を
被る結果になる。
だから、お店側の意識を変えていくためにも、まずは牛乳から、
お客様にとって最高の店作りを行いながら、精度の高い適正発注の
努力を惜しまない姿勢を身につけていただくのだ。
もう年数がたってしまっているので、うろ覚えの話ではありますが、
当時の鈴木会長は、こんな檄をFCさんたちに飛ばしたそうです。
そして、実際に優秀な店長がいるお店では、生鮮品の後入れ先出しを
実践し、今まで以上に発注精度を高める努力をしたことで、売り上げが
上がりながらも発注ロス率を下げたお店もあったそうです。
しかし、残念ながら当時の私は、人としても残念でしたので、
理屈じゃわかるけど、とてもじゃないけど怖くてできないよ、
と言って、FCの言うことを聞きませんでした。
今なら、とってもよくわかることで、もしタイムマシンがあるなら、
昔の自分をひっぱたいてでも、そのやり方を実践させたいところ
なんですが……
当時の自分の愚かさが、とても歯がゆく思うのでありました。
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今日のトーク術・まとめ
経営努力を怠っているくせに、お店の都合をお客様に押しつけていないか?
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昨日のニュースで、セブンイレブンが、賞味期限切れの近い
弁当の値下げを自由にできないということについて、公取委
から排除措置命令が出たというニュースが流れました。
→ http://mainichi.jp/select/biz/news/20090623k0000m040119000c.html
確かに、セブンイレブンは、制約事項がとても多く、
お店作りを自由にはできないところも多々あります。
私自身、店長をやっていたときは、正直腹の立つことも
多々ありましたしね。
しかし、それでも、今にして思えば、鈴木会長の考えは
大変すばらしく、その考えをくみ取って、実践をきちんと
してもいないのに、縛りがきついだの、自由が無いだの
いっていた私の方が、あほじゃないかと思うんですよね。
まあ、時が流れ、あれからまたずいぶんとセブンイレブンも
変わってしまったのかもしれませんが、少なくとも
今回のニュースを見て、私自身は、
「なんか商売の本質と違うところでごたごたしてるなあ」
と見えてしまうんですよねぇ。
私思うに、鈴木会長の言葉をきちんと理解した上で、
やるべきことをきちんとやっているお店は、よほどの
環境変化が無い限り、きちんとした利益を上げている
んじゃないかなぁ。
今回の件は、やるべきことをきちんとやる人が少なくなって
きてしまい、そういう人たちが、自分の経営者的努力不足を
本部のせいにして文句を言っているように見えて仕方が
ないんですよ。
それに、きちんと商売をしている人たちなら、この記事を読んで、
この加盟店の人たちは、経営努力を怠るという自由を求め、
目先のささいな利益を追い回した結果、だめになっていって
しまうのではないか、と心配することでしょう。
今回大きく取り上げられている、本部の値引き制限にしても
「値引きなどという安易な判断をすると、経営者としてだめになる」
という意味でやっているところもあると思うんですよね。
残念ながら、この記事の中には、セブンイレブンの商売哲学や
想いは一切取り上げられていないため、一方的に悪者になって
しまっているようです。
セブンイレブンファンとして、それがとても残念で仕方が
無かったので、こんなお話をしてみました。
異論・反論ある方もいらっしゃると思いますが、私はこんな風に
思ったという一つの考えとして受け止めていただければ幸いです。
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● 編集後記
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先週末から今週頭にかけて、5日連続で飲み会がありました。
普段は週1回くらいしか夜のおつきあいはありませんし、
家では晩酌で炭酸350mlを、焼酎で割って飲む程度。
でも、以前は毎晩ウイスキーボトル一本を空けていましたから、
基本的には結構いける口なんですよ。
それに、友人とおしゃべりしながらという気分のいい状況もあって
外だと結構な量を飲むんですよね。
だから、さすがに5日連続はこたえました。
生まれて初めて、外で飲んでいるときに、アルコールに
疲れてしまい、ウーロン茶を頼んでしまいましたし。
リアルに体の衰えを感じた5日間でありました(哀)。
さて、我が家の昨日のネコブログ。
あつみ♂のマイブーム。本当によくわかりません。でもかわいい。
→ http://ameblo.jp/keisukeatumi/day-20090623.html
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