おはようございます。
水野です。
さて今日は、一日曜日を間違えてしまいましたが、
毎週火曜日に書いている、私のサラリーマン時代の
お話をしたいと思います。
では、早速参りましょう!
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● 私のサラリーマン物語 ~転職の理由~
─────
死ぬほど忙しくはありましたが、仕事そのものには
楽しみややりがいを感じていた映像制作会社に
勤めていた頃。
丸1年働き、1年経った4月頃から、ちょっとした
不満を持ち、転職しようと考え始めたのです。
理由のひとつは、仕事そのものについて。
確かに楽しく、やりがいがあるのですが、当時の私は
自分の仕事を、映像産業と言うより、情報産業という
見方をするようになってきたんですよね。
そういう視点で見ると、この映像制作という仕事だけ
していても、企業の中枢、根幹に関わるような仕事は
出来ず、イベント映像だとか、社内ニュース、教育
ビデオと言ったような、裾野の仕事しかできないのでは
ないか、と思い始めてしまったんです。
もっと情報ビジネスに深く関わるには、根幹のシステムに
携わるような仕事、要するに、コンピュータのシステム開発
といった仕事をするべきではないか、と思い始めてきたんです。
元々、中学時代からマイコン(当時はパソコンという言葉はなく、
こう呼んでいました)をいじくっていて、ゲームプログラムなども
書いていた経験もあります
ですので、ある程度の下地もあったため、ゆくゆくはそちらの
業界に転職しよう、と思い始めたのです。
もちろん、これは本当の気持ちでもありますが、今にして
思うと、もうひとつの理由の方が、転職をしたいと考えた
一番大きな理由だったのかもしれません。
それは何かというと、
■ 会社が自分の面倒を見てくれない
ということ。
入社早々、月の半分以上を、一人で地方巡りさせられていた
こともあり、その後も、結構一人であれこれやらされていました。
現場の人たちは、それなりに面倒を見てくれるのですが、上司は
こちらが期待するほどの面倒は見てくれ無い状態。
ということで、右も左も分からない状態の中で、必死に
なって色々と自分から学んでおりました。
1年経って、上司が替わりましたが、この人が、さらに輪をかけて
なんにもしてくれない人でして。
仕事中もパチンコ行っちゃったり、ウソついて直帰しちゃったり。
相談に乗ってもらおうと話を持ちかけても、
「まあ、その、なんだ。上手いことやっといてよ」
的なことしか言ってくれない有様でした
その中でも、一番つらいと思った仕事は、やめる直前に取り組んでいた
大がかりなプロジェクトの時です。
某大手石油会社の20周年のイベントとして、ガソリンスタンドの
オーナー2000人を集めて行う式典が企画され、私は、確か
5億円ほどの予算をもらって、スライドと映像を作ることに
なったのです。
今では信じられないほどの、バブル華やかな頃の時代のこととはいえ、
入って1年ちょっとの私としては、これはかなりのプレッシャーでした。
企業からは、オーナーさんたちに、自社の内容を理解してもらい、
安心して今後もつきあっていけるような企業であるということを
アピールしてもらえる様な映像を作って欲しいと言われました。
分かりましたと受け、では資料をいただけますか、とお願いしたところ、
さっと取り出されたものは、A4サイズ1枚の組織図のみ。
これではなんにも分からないのですが、といっても、今は資料は
それしかありません、と返答されてしまいまして。
とにかく、まずは企画とプロットを書き上げなければ
いけないと言うことなのですが、プランナーもライターも、
「こんな紙一枚じゃ、何も書けないよ!」
と、断られてしまい、くだんの上司に助けを求めても
「んなもん、書いてくれるプランナー探せば良いんだよ」
と、アドバイスにもならないようなアドバイスしかしない始末。
ここで、自分としてはどうにも我慢の限界となり、会社側に
この仕事が終わった段階で、転職をするので辞める旨を
会社側に伝えてしまいました。
その後結局、誰にも頼れなくなった私は、自分がやるしかないと
と思い、広報部の人に取り持ってもらい、本社内にある全部署に
インタビューをさせてもらうことにしました。
そして、各部署がどんな仕事をしているのかを聞き出し、
その中でも、オーナーさんたちが聞いて喜びそうな話を
ピックアップしていきました。
さらに、他業種の成功事例を集め、その成功の要因と
この石油会社が取り組んでいることとを結びつけるような
演出をすることで、単なる身内びいき的なよいしょ映像ではなく
説得力、納得力のあるストーリー仕立てのプロットとラフな
シナリオを、一人で作り上げました。
役員会議でも、私が社長以下のお歴々の前に立って
プランの意図や趣旨などを発表しましたし、制作も
プロデューサーという立場として、陣頭指揮を執り
何とか、喜んで頂けるような作品を作り上げることが
出来、最後の仕事として、有終の美を飾ることが
何とか出来たんですよね。
ということで、仕事そのものは達成感があったものの、
合間を縫って面接に合格していた独立系ソフト開発会社に
転職すべく、転職の前日である1990年9月30日まで
働き納めたのでありました。
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今日のトーク術・まとめ
恵まれていない環境こそ、恵まれた環境
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今から振り返ってみれば、私が下した判断は、大間違いの
甘ったれだと思っています。
誰も教えてくれない、面倒見てくれない、という不満は
確かに若い自分の当事者として考えれば、持って当たり前
だと思う人もいるかもしれません。
でも、今回の件を振り返ると、
★ ほったらかしてくれたからこそ、あれだけ自分が成長できた
と思うんですよね。
今はもう、当時の資料などは手元にありませんが、
世間知らずで、学校も人より2年も余計に通っていた、
25,6の若造が、大手企業の全部署を回って情報
集めをして、他業種の成功事例も勉強し、さらには
その成功事例と顧客企業の共通項を見いだして映像化
する、というアイデアを自分で考えて、さらには自分が
作った企画を、大企業のトップにプレゼンをする機会まで
与えてくれた。
このときの私の企画やがんばりは、今の自分もほめてやりたい
くらい、素晴らしい出来だったと思っています。
確かにストレスやプレッシャーもかかりましたが、でも
そのおかげで、たくさんの学びを得る事も出来ましたし、
普通なら経験できないことも、させてもらえました。
そしてなによりこれは、自分を大きく成長させてくれた
貴重な経験であったと思うんですよね。
このメルマガは、若いビジネスパーソンの方もたくさん
読んでいらっしゃるようです。
会社が何もしてくれない、会社が面倒見てくれない、
という不満は、きっと多くの人が持っていることでしょう。
でも、そういうときこそ、
★ ならば私は、自らどうやって成長させようか
と考えて欲しいんですよね。
そして、すでにあなたが、厳しい環境の中で、めげずに
頑張ってきているのなら、ぜひ、
★ この環境の中で、自分は何を学び、どう成長したか
ということを考えて欲しいんですよね。
あなたがフォーカスするのは、環境の不満ではありません。
自分を成長させる手段と、どれくらい成長したのか、という
内面にフォーカスして下さい。
そうすれば、きっとその環境に感謝する日が来ることでしょう。
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● 編集後記
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過去の自分の話を書くときに、重宝するのが自分史年表。
折に触れ、思い出せる限り、日付単位で色々あった出来事を
表にして書き込んでいるのですが、これを見るたびに、
自分の足跡を確認することが出来ておもしろいです。
今回の話は、今からちょうど20年前のこと。
時はまだバブルに浮かれ、深夜の路上にタクシーを捕まえる
ために万札が降られていたような時代でした。
今の若い子たちからしたら、あり得ない冗談としか
受け止めてもらえないでしょうねぇ……
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