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育てる相手を100%信頼出来ない! という人は、大きな勘違いをしているよ

先日のメルマガで、このような記事を書きました。

【人を育て指導する立場にある人に必要なベースの心構え】

人を育て指導する立場にある人に必要なベースの心構え

かいつまんでお話しすると、人を育てる時は、100%
相手を信頼して接しましょうね、というお話であります。
確かに、こういう話はよく聞きますし、美しい正論としては
納得できる所もあるかとは思いますが、これが、ビジネスの
世界になったら、どうなるでしょうか。
おそらく、この言葉に対して、素直に頷くことは出来ない、
という人も、たくさん出てくることでしょう。
このお話は、企業研修などでも良くさせて頂きますが、
その時も、必ずと言っていいほど、2つの反応が出て来ます。
ひとつは、例えば、
「いやあ、80%位は部下のことを信頼出来るんですが、
100%となるとなかなか難しいですよ」
というもの。
そして、もうひとつは、
「もし、部下を100%信頼して、仕事を任せきって、
上手くいかなかったらどうするんだ!」
というものです。
確かにその通りだな、と思う方も多いことでしょう。
しかし、実はそう考えてしまう人は、根本的に、
大きな勘違いをしているんですよね。

上のような反応を起こす人たちがやってしまっている勘違い。
それは、
■ 信頼と信用を混同してしまっている
ということです。
信頼と信用は、よく似ていますが、意味は微妙に違います。
信頼とは、「信じて頼る」と書きます。
自分で何とかしようとせず、相手に委ねきることが信頼なのです。
だから、相手に委ねる以上、こちらはコントロール不能なので、
信頼するかしないかのどちらかしかないんです。
ですから、信頼とはスイッチのようなものなんですよね。
するかしないか、いずれかしかない。
だから、100%信頼しなさい、といっているのです。
一方、信用とは、「信を用いる」と書きます。
この言葉は、主にビジネスに用いられるもので、こちらは、
「相手の能力をどこまで信じられるか?」
ということを、きちんと計り、それによって、ビジネスを
行って行くことを指します。
例えば、ツケとか、売掛とかいうのは、信用取引といって
「この人なら、いくらまでなら後払いでもいいか?」
ということを、相手の支払能力まで計ったうえで決めます。
つまり、信用とは、完全に相手に頼るのではなく、こちらで
きちんと能力を測って、どこまで信じるかをきめるのです。
つまり、信用とは、ボリュームのようなものなのです。
だから、これらは混同して使うものではなく、きちんと線引きして、
使い分けないといけないのです。
部下に仕事を渡す際は、
・その部下の業務能力がどこまであるのか、
・渡そうとする仕事が、その能力でどれくらい出来るのか、
・出来なかったときのリスクは、どこまでなら負えるのか、
これらを冷静に見極めた上で、きちんと信用を計り、仕事を渡す。
そして、それとは別に、昨日のメルマガで書いたとおり、
その仕事を通じて、部下が成長すること、部下の可能性が
引き出さされることは、100%信頼して、仕事を渡す。
こうやって、きちんと信頼と信用を切り分けて接することが
出来れば、上で紹介したメルマガの後半部分にある、
★ 部下を心配するのではなく、部下の成長を祈る
ことが出来るようになります。
逆に、信頼と信用を混同しながら部下に接すると、
■ 常に「お前のことは100%信頼出来ない」という
人格否定にも似たメッセージを伝え続ける
ことにもなりますし、当然のことながら、心配する気持ちも
無尽蔵に湧いて出て来てしまうでしょう。
だからこそ、自分自身の中で、まず信頼と信用とをきちんと
切り分けて自覚した上で、部下に対して接していきましょうね。
あ、もちろんこれは、部下に限らず、全ての人間関係において
同じ事が言えますからね。
人を育てる立場にある人は、是非気をつけてください。
相手の育ち方が、グンと変わってきますよ。

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