のっけからこんな言い方するのもどうかと思いますが、指導の仕方が下手くそな上司、いますよね。
その下手な教え方をする上司の典型例が、私が思うに2つあります。
ひとつは、
・理由や目的をいわずに指示を出す
というもの。そしてもうひとつは、
・ゴールの指示を明確に出さない
というものです。
もちろん、その上司に対して、理由や目的を聞いたり、具体的なゴールを聞く、ということをして、解決出来ればいいでしょう。
でも、聞いても満足な答えが返ってこないケースも、よくあります。
もし、自分の上司がそんな人であり、気持ちがイライラしてきたら、こう考えてみると、少しだけ、イライラが消化できます。
まず、理由や目的をいわずに、あれやれ、これやれ、としかいわない上司の場合。
この場合、
「今、私は、サッカーをやっているのだ」
と考えてみましょう。
サッカーとはどういうスポーツかご存じですよね。
キーパー以外は、手を使わずに、足だけを使って、ボールをゴールに入れないといけませんよね。
あれ、なぜ手を使ってはいけないのか、知ってますか?
調べてみると、色々と理由があるようですがでも、ほとんどの人は、それを知らずに、受け入れてますよね。
だから、サッカーやろうぜ! ってことになると、みんな、目的や理由を確認することなく、手を使わずにゲームに打ち興じるわけです。
だから、上司の指示も、サッカーのルールみたいなもので、とりあえず、ルールを守っておこう、というスタンスで、まずは仕事に取り組んでみる。
ただ、ビジネスの場合は、やはり、理由や目的が分かっておいた方がいいのは間違いありません。
しかし、やってみる前にそれを理解しようと考えても、経験の浅い人だと、その経験値の低さゆえに、理解出来ない、ということも多々あります。
だから、とりあえず、やれと言われたことをやってみて、やりながら、この仕事をする理由や目的はなんなのかを、自ら探していくというゲームをやっていると思いましょう。
次に、ゴールの指示が明確で無い上司に当たってしまった場合は、
「今、自分は、ヒットアンドブローというゲームをやっているのだ」
と考えてみましょう。
ヒットアンドブローというゲーム、ご存じない方も、ネットで調べて頂ければ、すぐに、ああ、あのゲームか、と解るかと思います。
が、簡単に説明しておくと、対戦相手が考えた4桁の数字を当てていく、というゲームです。
このゲーム、最初は、全く解りませんから、こちらも適当な4桁の数字を言います。
すると、相手は、今言った4桁のうち、桁の場所と数字が合っているのはいくつ、桁の場所は違うけれど、その数字が含まれているのはいくつ、という情報を返します。
これを繰り返しながら、いかに少ない回数で相手の考えた数字を当てるか、ということを競い合うわけですね。
この考え方を、ゴールを明確にしてくれない上司に対して、適用していくわけです。
向こうがゴールを明確に伝えてくれないならこちらから、そのゴールを当てに行こう。
そう考えて、仮の答えを用意して、
「これがゴールですか?」
と聞く。
そして、それに対しての上司の反応を伺いながら、答えの確度を徐々に上げていく。
今自分は、そういうゲームを、仕事を通じてやっているんだと思って、その上司に対処して行きましょう。
こうやって考えれば、指導力が低い上司に当たっても、イライラせずに、少しは楽しく仕事が出来るような気持ちになるでしょう。
部下や新人の立場の方に言っておきたいことがあります。
それは、
★ 上司はプロの教育者ではない
ということです。
ていうかね、本来ならばプロの教育者であるはずの、学校の先生だって、教え方が素晴らしかった、という人、どれくらいいますか?
あなたも、今までの学生経験を思いだして欲しいのですが、おそらく何十人もの教育者に会ってきたはずですが、その中で、プロの教育者だった、と思える先生が何人いるでしょうか?
教育というものを学んできた人たちですら、こんな有様なんですよ。
それを踏まえて考えれば、お分かり頂けるはずです。
ほとんどの上司は、人を育てる方法を学ぶことなく、人の上に立っているのだから、仕事をきちんと教えられないのも、仕方ないことなのだ、と。
にもかかわらず、これまたほとんどの部下は、
★ 上司は部下をきちんと教え育てるべき
と考えています。
教育の訓練を、満足に受けてない上司に、そんなハイレベルなことを要求してしまっているのです。
この部下の、上司への無理解による誤解が、部下自身のストレスを高めてしまうんです。
だけど、始めから、
「上司はプロの教育者じゃないのだから、教え方がヘタクソなのは当たり前」
だと思っていれば、上司の教え方がまずくても、イライラはしなくなりますよね。
相手に必要以上の期待をするから、イライラしてストレスフルになるんです。
だから、必要以上の期待はやめましょう。
それより、この環境をゲームのように捉え、自分の取り組みで、仕事を理解し、上司から答えを引き出すコミュニケーションの訓練だと考えれば、ストレスも軽くなり、自分も成長できるようになりますよ。
ということで、こんな考え方も参考にして頂きながら、新年度のスタートを、気持ちよく切っていきましょう!!