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愛情を持って見守るということ

今回は、前回のブログの続きで、
愛情とは、手間暇かけることではなく、
見守ることである、という話の続き。

前回のブログはこちらをご覧下さい。

それは愛情ではないし、それは非情でもない

さて、見守るとは何か。

私が考えるに、ポイントは3つあって、

1.ロングスパンで見守る
2.反応を見守る
3.ささやかな成長を見守る

ではないかなあ、と。

まず1番目ですが、愛情を持って他人と
接するときに、一番邪魔になる感情は、

「焦り」

じゃないのかな、と私は思っています。

昨日の話で取り上げた、yahoo知恵袋の
相談者の方の投稿を見ても、熱心に
相手に関わっていることは伝わってくる
ものの、手数をかけた割には変化して
くれない、という強い焦りを感じました。

これ、育つ側に立って考えると、育てる
人が、焦りをあらわにして関わってこら
れると、けっこうなストレスになるってこと
分かりますよね。

そんな焦りの状態では、関われば関わる
ほど、関係性も悪くなるし、成果も出に
くくなる。

だから、最初から、ロングスパンで見守る、
ということを、覚悟してしまうのです。

そうすれば、短期間で成長が起きなかった
としても、焦ったり、イライラすること
なく、育成に当たることが出来るでしょう。

次に2番目ですが、昨日もおはなしした通り
手間暇をかけることが愛情だと思ってしまう
人は、ついつい、自分から、何をするか、
何を言うか、ということばかりに気持ちが
向きすぎてしまいがちになります。

効果的に人を育てる関わり方をしていく
上で、非情に重要なポイントは、育てる
側の人間が何をするか、の前に、

★ 相手が、どういうことに対して
どんな反応をするかを知る

ことなんですよね。

その反応は、自分が仕掛けたことに対する
だけでなく、その人がおかれた環境や、
出来事に対して、どう反応しているのかを
みる必要があるんですよね。

その反応を充分に観察した上で、自分が
何をすれば効果があり、何をしたらいけ
ないのかを、見極める。

そして、見極めた上で、自分が直接関わって
やるべきことをやり、やるべきでない事は、
決してやらない。

手間暇かけても上手く人を育てられない
人は、この見極めをしないまま、手数ばかり
繰り出してしまうので、頑張れば頑張るほど
逆効果、という状況に陥っている、という
ケースを、よく見かけます。

だから、とにもかくにも、先ずはじっくり
反応を見守って、軽々に手数を繰り出さない
ことが、重要だと思います。

そして、最後に、3番目ですが、育て方が
上手くない人は、その人の、ささやかな
成長を見落とす、または認めない、という
傾向が見受けられます。

これくらいの成長は、成長とは言えない!
と否定したり、自分の求める成長に意識が
向きすぎてしまって、ささやかな変化を
見落としてしまう。

こうなると、育つ側の人も、自分の成長
実感を得る事が出来ず、成長意欲も失って
行くことにもなりかねません。

だから、ささやかな成長を見逃さず、
しっかり見守り、きちんと拾い上げ、
フィードバックをする、ということは、
育てるためにとやかくあれこれ指導や
アドバイスをするよりも、重要なこと
なんですよね。

ということで、これら3つのポイントを
見守ることが、人を育てる際の愛情である、
と、私は考えております。

手間暇かけるのが愛情、と思いながら、
手数をたくさん繰り出しても上手く育て
られない、という人は、是非、まずは
「見守る」ということに取り組んで
みて下さい。

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