現在、説得力を高める方法について
お話しています。
前回の投稿はこちら。
今回は、アリストテレスが語った、説得力を
持たせる伝え方をするために必要な3つの
要素、ロゴス・パトス・エトスのうちの、
2番目である、パトスについてお話します。
パトスとは、
・pathos(パトス、感情)
- 聞き手の感情への訴えかけによる説得
という事となります。
では、相手の感情に訴えるためには
どうしたらいいか。
ポイントは、
★ ストーリーで語る
ということ。
ストーリーとは、物語などの筋、という
意味で、基本的には、時間軸に沿って
ことの変化を語っていく形を取ります。
人の感情は、理屈上の損得ではなく、
自身の体験によって動きます。
そして、その体験を通じて、喜びや、
悲しみを感じていきます。
ストーリーとは、受け手に、そこで語られる
ことを、擬似的に体験させる事が出来るもの
なんですよね。
だから、私たちは、小説や映画・ドラマを
見ると、その世界に没入し、あたかもその
ストーリーを体験したかのように感じて、
感情を動かされるわけです。
それを、説得力を高める方法に取り入れて、
理屈の成語・損得だけでない、感情への
働きかけを行うのです。
では、何を働きかけるか、というと、
基本的には大きくふたつ。
人が、意識や行動を変えて、意思決定を
下す、一番のエネルギーとなる感情は、
★ 痛みと喜び
なんですよね。
なので、ロゴスで、損得を語りながら、
この損を被ってしまうと、どんな痛みに
襲われるのか、そして、この得を得ると、
どんな喜びが得られるのかを、ストーリー
として、相手に疑似体験してもらうように
話聞かせ、その痛みと喜びを味わってもらう
のです。
そうすると、理屈で理解し、感情で実感
出来るので、あなたの言いたいことを、
相手も受け入れてくれるようになるのです。
だからこそ、毎回しつこく言いますが、
まずは相手の情報を知ること。
自分の価値観のフィルター越しに見ながら、
勝手に、相手の損得・痛みや喜びを決め
付けて、勘違いしたそれを相手に押しつけ
ないこと。
逆に、相手を受け入れ、相手を理解出来
たら、その理解をベースに、相手の損得や、
痛みと喜びを語って息さえすれば、自然と
あなたの言葉を受け入れ、考えを変えて
くれることになります。
説得力のある人って、無理矢理相手を言葉で
ねじ伏せたりはしませんよね。
ごく自然に、
「ああ、だったらこの人の考えを
受け入れよう」
と思えるような語り方をしますよね。
それは、上に書いたように、理と感情を、
相手に受け入れられるように語るから
なんですよね。
ということで、理屈ばかりで人を説得しよう
としていた人は、ぜひこの、パトスの重要性
も理解しておきましょう。
そして、相手に、痛みと喜びを感じさせ
られるようなストーリーを、理と共に
語ってあげて下さいね。
さて、次回は、最後のエトスについて、
お話しましょう。