先日、企業研修で、受講生の方から、こんな質問を頂きました。
実は、自分の本気の出し方が分かりません。どうしたら本気で熱くなれる男になれるでしょうか?
今まで、受験や部活動もそれなりに頑張ったら、思うようにいけたので、自分の中で本気になって取り組んだ記憶がありません。
そのために本気で熱くなれる人がうらやましく思います。
なるほど。本気の出し方ですか。
確かに、職場などで、先輩社員や上司から「お前、もっと本気だせよ!」と檄を飛ばされた経験がある方も多いでしょう。
しかし、この質問者もそうですが、そういうことを言われても、本人はいたって真面目に仕事に取り組んでいたりするんですよね。
それでも、本気を出せ、なんてことを言われたり、本気を出して情熱的に活動している人がまぶしく見えたりしてしまう。
じゃあ、本気ってどうやって出せばいいのか?
確実にひとつだけ言えることがあります。それは、
■ 本気を出そうと思ったら、絶対に本気は出せない
ということ。
そもそも、本気、というのは、どういう意味か。大辞林によると、
「真面目な気持ち。真剣な気持ち。また。そのさま」
とあります。
なるほど、言葉の意味は分かります。でも、こういう言葉を、当の本人が使っているのを見たときに、その人は、その言葉通り、本気でいると言えるのでしょうか。
少なくとも、私が今まで見ている限りでは、「本気なんです!」と、自分で言っちゃうような人間が、本当に真面目で真剣であった試しはありません。
本当に本気になっている人は、自分の口から「自分は本気だ!」なんていわないんですよね。
では、なぜ本気の人は、自分が本気だと言わないのか?
これは別に、謙遜したり、遠慮をしている訳ではありません。
本気の人というのは、
★ 本気であればあるほど、自分が今本気であるとは気付けない
からなんですよね。
つまり、本気になろうとすればするほど、今取り組んでいることに真面目で真剣に向き合うがあまり、自分が本気かどうかなんか気にする余裕すらなくなるのです。
そんな姿を、その人の周りにいる人たちが見たときに、「おお、あいつは今本気なんだな」と評価するんですよね。
ということで、質問した方をがっかりさせてしまいますが、今回の質問に対しては、
■ 本気になろうと考えているうちは、本気には絶対になれない
という、身もふたもない回答を送らせて頂きます。
……と、ここで終わってしまうのも、あまりにもつれないので、本気になるための具体的な方法を、もう少し考えてみましょう。
そもそも、本気になるためには、本気で取り組むための具体的な行為が必要になりますよね。つまり、本気になるためには、
★ 取り組むべきことに対しての真剣度を高める
事が出来ればいいのです。では、どうやって取り組む事への真剣度を高めるか。具体的には、
★ 取り組む事に対して、少々高めの目標を立てて実行する
事をすればいいのです。
・3日かかりそうな仕事を、2日で仕上げようとする。
・1000万円の売上目標を1200万円の売上目標に変えて頑張る
・依頼された1本の企画書を3パターン作って提出する
といったように、精一杯頑張ったら出来る目標より、さらにちょっとだけ高めの目標を立てて、それを達成しようと頑張って取り組むのです。
そうなると、否が応でも本気にならざるを得ませんし、そんな風に取り組んでいるときには、「自分は今本気なのだろうか?」なんてことを考える暇などありません。
だから、気がついたら、周りの人間が本気だと評価してくれるような働き方が出来るようになるんですよね。
本気で頑張っている人たちの働きぶりを見ていると、たいていこうやって、自分で自分にちょっと厳しい高い目標を課し、それを達成しようと頑張っているんですよね。
で、そういった、ちょっと無理した目標にチャレンジして行くと、次第に、
★ 求められるよりも高い成果を出せる考え方と能力を身に付ける
事が出来るようになるんですよ。
20代で、こういった働き方が習慣になると、30代以降は、本当にいい仕事に恵まれるようになりますよ。
ですから、もしあなたが、本気で働けるようになりたいと思ったら、ぜひ、頑張って出来るレベルの、そのもう少し高いところを目標にし、それを絶対に達成してやる! と思って仕事に取り組んでみて下さいね。
P.S.
逆に、部下や後輩に、本気で働いて欲しいと考えている人たちは、「もっと本気出せ!」などという言葉は、全く意味が無い、という事を覚えておいて下さい。
そして、本気になれていないと見える人には、その人に合わせた、ちょっとキツいかな、という目標を、与えてあげて下さい。その方が、「本気出せ!」と百万遍言うよりも、よっぽど効果的ですからね。
こんにちは。タイ人のきゅうちゃんです。
私の日本語はまだまだですが、突然コメントを書いたことは申し訳ありません。
この記事は私のずっと前から知りたい答えがやっと見つけたと感じました。これからこの記事で学んだことをしっかり行動します。
誠にありがとうございました。
失礼しました。