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● 船場吉兆の女将の謝罪
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老舗料亭で有名だった、吉兆グループの一店、
船場吉兆が、食品産地偽装に続き、料理の使い回しが、
発覚し、先日廃業を発表しました。
「ささやき女将」として、すっかり有名になった
湯木佐知子社長の、終始うつむき加減で記者会見を
していた映像が、これでもかというほど流れていましたね。
テレビのコメンテーターも、おおむね今回の廃業は仕方なし、
というトーンで放送していました。
中でも、女将の会見を取り上げ、アレで本当に反省しているのか、
ということを、ことさらに指摘している人たちが、今回結構
多かったのが、私としては印象的でした。
その人たちの共通点は、その反省してるか疑わしい、という論調で
話をしていたということ。
終始うつむいていたのも、反省によるものではなく、事前に準備した
会見メモを読むため、ということで、会見に対して入念に準備して
いたことに誠意を感じない、という話をしていた人も何人かいました。
しかし、不思議ですよね。
こういった、自社の大きな方向転換の発表を、マスコミを通じて
行う際は、誰だって、入念に準備をして対応しますよね。
逆に、いい加減な準備でカメラの前に立ったら、それこそひんしゅく
を買ってしまうことになるでしょう。
しかし、今回の女将の入念な準備は、評価を上げることにつながらず、
むしろ、批判の的になってしまったようです。
でも、なんでそういった評価を受けてしまったんでしょう。
そして、今回のようなときに、誠意ある対応をするには、
いったいどうすれば良かったんでしょうね。
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● 誠意の伝え方とは
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そもそも誠意とは何か、考えてみましょう。
誠とは、意味として、ウソや歪曲を加えていない、本当のこと、
ということで、これで考えると、誠意とは、本当の気持ちの意を
伝える、ということになります。
そういう意味で言えば、今回も含め、一連の会見で見せた
ささやき女将の行動は、誠意が伝わっていたでしょう。
彼女の発言は、終始一貫して自己弁護、自己防御の姿勢で
自分を守りたい、という正直な気持ちがありありと伝わって
いましたよね。
ということで、女将は誠意をきちんと伝えていた、という
ことで、こちらサイドの人間が誠意を伝えていないと
文句を言う筋合いはないのです。
……ということで話が終わればいいのですが、これなんか
釈然としないですよね。
それは、ここで定義した誠意という言葉が正確ではないからです。
実は上記の意味で言うならば、より近い言葉は誠意ではなく
本意なんですよね。
誠には、本当の気持ちという意味に、
■ 道義にかなっている
という意味も加わっているのです。
つまり、道義にかなっていることであり、かつそれが本当の
気持ちにもなっていること、というのが誠の本当の意味なんですね。
これでいうと、あの女将の会見は、誠意が伝わったかといえば、
伝わっていないわけです。
なぜなら、本当の気持ちは伝わってきたものの、それは
道義にかなっていないから。
道義にかなっていない本当の気持ちでは、どれだけしっかり
準備しても、誠意など伝わろうはずもありません。
だって、そこに誠意はないのだから。
もしあなたが誠意を伝えなければいけないことが起きたら、
ぜひ、道義にかなっている本当の気持ちを伝えてくださいね。
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今日のトーク術・まとめ
道義にかなった本当の気持ちを持って、自分の誠意を伝えよう!
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とはいえ、誠意ある行動を取るのは難しい、ついつい本意の方が
顔を出してしまう、という人もいるかもしれません。
特に、今回のような状態の場合、女将から見たら、マスコミなどは
自分たちに襲いかかってくる獣のように思ったかもしれませんし、
そう思ったら、誠意を見せるより前に、自己防衛の気持ちが
出てしまうことも、人間の心理としては解らないでもありません。
昔の私も、誠意と本意の使い分けが出来ませんでした。
だから、何かトラブルが起き、それにっよって誠意を示そうとしても、
自分を守りたいという本音が出てしまい、結果として相手を
不愉快にさせてしまったことはよくありました。
しかし、今、当時の自分の考えを思い起こしてみると、
誠意と本意が対立の関係だととらえていたように思います。
よく言う、本音と建て前は違う、みたいな感じですね。
でも、よくよく考えてみると、
■ 本意というのは本当の気持ち
■ 誠意というのは、【道義にかなった】本当の気持ち
であって、これは、対立の関係でなく、包含の関係なんですよ。
つまり、本意の中に、誠意が含まれている、ということだと
思うんですよね。
正直に言えば、私だっていまだに、何かトラブルが起きた
ときに、道義にかなっていない、自己防衛的な気持ちが、
わき起こることだってないわけではありません。
しかし、そのときに、本音と建て前を使い分けようという気持ちで
対応すると、やっていてつらくなってくるので、そんなときは、
★ 自分の本意の中にある、道義にかなった本当の気持ち
を一生懸命探すようにしています。
すると、元々悪い人間ではないわけですから、
何かしらそういうものが見つかるんですよね。
そこで、その誠意にあたる気持ちを見つめ、それをいかにして
表現し、実践しようかと考えるわけです。
そうすると、本音と建て前を使い分ける、なんてことせずに、
自分自身の本当の気持ちを持って、誠意ある行動がとれるように
なるんですよね。
これは私の勝手な憶測ですが、今回の女将は、本意と誠意を
対立軸においてしまったまま、事に当たってしまったことが
誠意のない対応だ、と攻められる原因になったのだと思います。
本意と誠意・本音と建て前は対立するものではありません。
もし、あなたがそういったように思いがちな人であれば、
まずはその勘違いから正してみてはいかがでしょう。
きっと、楽に、かつ真っ当に生きられるようになりますよ。
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● 編集後記
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メルマガを書くときは、いつも電子辞書を使って色々調べ物を
しながら書くのですが、今日は事務所にそれをおいて帰って
きてしまいました。
で、家でメルマガを書くために、辞典を引っ張り出して書いて
いましたが、電子辞書に慣れると、辞典は不便ですね。
何より、字が細かくて、40代半ばの私には、少々目に厳しい。
もうこういう字が読めなくなる歳なんだなあ、と、改めて
肉体的な衰えを感じてしまいます。
そういえば、3ヶ月ほど前、老眼鏡を買いに行こうと眼鏡屋さんに
行ったんですが、ストレートに老眼鏡と言えず、
「あの……えっと……最近、細かい字が読みにくくなったんですね、
で、小さい字でも見えるような、そんなめがねが欲しいんですが……」
と、お店の人にえらい遠回りな言い方で伝えてしまいました。
的確な表現ではなかったですが、老眼であることを認めたくない
素直な気持ちは表現できたんじゃないかと思います(哀)。
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