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● それは私に出来なかったフォロー
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先週の土曜日は、専門学校で教えていた生徒からのお誘いで
舞台劇を見に行きました。
その劇団は、「キャラメルボックス」という名前で、
知る人ぞ知る、非常に人気のある劇団。
劇のおもしろさもさることながら、お客さんを楽しませるための
工夫や努力がとても素晴らしいと評判の劇団であります。
私も以前から噂は聞いており、一度行きたい、と思っていたんですが、
生徒のひとりが、その劇団の裏方さんをやっていた、ということで
意気投合し、彼の強力なおすすめにより、今回の機会を得ることが
出来ました。
ということで、9日の土曜日、私と、その生徒と、もうひとりの
後輩との3人で、池袋のサンシャイン劇場にいきました。
入り口を入ってから、階段を上って2階席に行く道中や、
前説の時の話、そして、劇が終わってからのカーテンコールや、
劇場を去るまで、とにかくたっぷりとお客さんに楽しんでもらおう、
という心意気に満ちていました。
しかし、その日、一番すごいなあ、と思ったのは、
一緒にいた生徒のひとりが、パンフレットを落として
床にばらまいてしまったときの、彼らの素晴らしい対応。
私は、そのときの対応を見て、
「ああ、自分には、こんな対応できなかっただろうな」
と、自分の接客力を反省するくらいでした。
さて、彼らは、パンフレットを落とした生徒に対して、
どんな対応を取ったのでしょうか?
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● お客様の立場に立って喜ばれるためには
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サービス業などに携わる際、よく言われる言葉として、
「お客様の立場に立って考えよ」
というのを、良く聞きますね。
ある意味、耳にたこができるくらい聞いている人も
いることでしょう。
しかし、同じ言葉を聞き、そして、その言葉を、皆がきちんと
理解している、という状態であるにもかかわらず、なぜ、
人によって、サービスの質に違いが出るのでしょうか。
その理由は、
■ 自分がお客様の立場に立った経験値の違い
といえるのではないか、と私は思います。
つまり、自分自身が、お客様として、どういった満足を経験したか、
また、どういった不満や怒りを経験したのか、ということの違い。
これが、実際に自分がサービスをする立場に立ったとき、
どこまでのクオリティでお客様にサービスできるかの違い
として出てくるのでしょう。
今回、私の生徒が、床にパンフレットをばらまいてしまったとき、
周りにいたスタッフのひとりが、即座に床に跪き、パンフレットを
拾い始めました。
この行動は、私自身も予測できましたし、実際に私自身も
サービスをする立場であったら、こういった行動はしたでしょう。
しかし、もうひとりのスタッフは、その場にいた私では、おそらく
対応できない、想定を越えた行動を起こしたのです。
その行動とは
★ 「新しいパンフレットをどうぞ」と手渡した
という行為。これは衝撃的な光景でした。
床は絨毯引きで、とてもきれいでしたし、床に落としたパンフレットも
それほどひどく散らかったという感じでもありました。
もし、私自身がお客様の立場だったとしても、充分な満足レベルは、
その落としてしまったパンフレットを拾って揃えて渡してくれれば、
その人達のサービスとしてはもう充分なものだったと思います。
だから、今回の生徒のシーンを見て、彼の立場に立って考えたとしても、
すぐに跪いてパンフレットを拾い集めることしか、思いつかなかった
んですね。
しかし、「新しいパンフレットをどうぞ」と手渡した人は、
「色々な人が歩き回っている所にパンフレットを落としたら、
きっと汚れて気分が悪いだろう」
ということまで気が回り、新しいパンフレットを手渡せたんですね。
そこまで気を回すことが出来なかった私は、サービスのプロとしては、
失格だと思って、非常に反省した次第であります。
「お客様の立場に立って考えよ」という言葉には、言葉以上の意味が
あります。それは
★ サービスのプロであろうとするならば、お客様のプロでもあれ
ということ。
きちんとした、プロのお客様としての体験をしないかぎり、
いくらお客様の立場に立ったとしても、お客様に最大限に
満足して頂くサービスをすることは、無理なのでしょうね。
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今日のトーク術・まとめ
サービスのプロであろうとするならば、お客様のプロでもあろう!
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では、サービスのプロとなるべく、お客様のプロとなるためには、
一体どうしたらいいでしょうか。
ひとつの方法は、
■ 最大限のわがままな気持ちで、サービスを受けてみる
ということ。
こういう意識で、細かい不満を一生懸命見つけようとしながら、
色々なサービスを受けてみましょうね、ということです。
こういう意識であらゆるサービスを見てみると、世の中には、
不満に思う点、改善したいと思う点がたくさん見つかります。
そういうところを見て、自分自身が提供するサービスを、
どう改善させていこうかを考えるのは、大変有効でしょう。
しかし、この視点で自分のサービスを見直してステップアップできるのは、
せいぜい、2流のサービスが1.5流になる程度の話でしょう。
一流のサービスが提供できるようになるためには、やはり
★ 一流のサービスを自分自身で体験する
ということにつきると思います。
一流のサービスというものは、自分自身で想像できるサービスの
次元を越えていることがほとんどです。
ですから、そういったサービスをより多く体験するということは、
あなた自身のサービススキルを、大きく伸ばすのに、大変有効な
方法でしょう。
そのためには、普通だったら行かないような高級なお店に行く、
ということも、有効な投資ですし、普段行かないようなジャンルの
お店に行き、そこのサービスを受けるということも良いでしょう。
今回の件で、私はこのことに対して最近サボり気味だったこと
本気で反省し自分のサービスレベルを上げるために、
自分の時間とお金を投資しようと心に誓ったのでありました。
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● 編集後記
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ということで、キャラメルボックスの舞台劇
「嵐になるまで待って」
を観てきました。
私は、舞台劇を観るのは、実に20年ぶりだったんですが、
本当に面白かった。
私自身は、元々映画・ドラマ制作の方面の出なものですから
シーンやカットを使って、物語をこちらの意図の中で見せて
行くことが当たり前の世界でした。
でも、舞台劇では、小さな舞台が変わることがないまま、
役者の演技だけで、シーンの変化や魅せるカットを
表現していくわけです。
果たして、観ていて混乱しないかな、と思っていたんですが、
演出のすばらしさで、全くそんなことありませんでした。
しかも、想像以上にスピーディーな展開で、非常に
テンポ良く話が進んでいくことにも驚きました。
2階席の後ろから二列目という、観劇するにはかなり
不利な場所であったにもかかわらず、終始物語に
のめり込みながら、最後まで興奮して見続けることが出来ました。
ということで、これからは、舞台劇も、精力的に観に行こうと
思った次第であります。
ちなみに、キャラメルボックスの「嵐になるまで待って」は
8月31日まで、池袋サンシャイン劇場で公演しているそうです。
是非、観に行って下さい。強くお勧めいたします。
詳しくはこちらへ。
→ http://www.caramelbox.com/
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