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● 上手いですねぇ!
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自分でこんなこというのも何ですが、セミナーなんかをやっている
関係で、よく話し方や、話の組み立てなんかに対して
「上手いですねぇ」
といわれることがあります。
例えば、聞き手にここだけは伝えたい、という想いで、
たっぷり間を取ってはなしたりすると、
「さっきのあそこの間、上手いですねぇ」
といわれたり。
また、セミナーの最後に、ちょっと感動的な話をすると、
「ここで泣かせる話を持ってくるなんて、上手いですねぇ」
といわれたり。
個人的には、ほめられることは素直に喜ぶたちなんですが、
でも、正直言って、この
「上手いですねぇ」
という言葉は、なんかほめられている感じがしないんですね。
「素晴らしいですねぇ」
「素敵ですねぇ」
「凄いですねぇ」
というほめ言葉なら、とっても喜んで受け取れるのですが、
「上手いですねぇ」
という言葉は、なんか引っかかりを感じるんですよね。
いったいどうしてなんでしょうか。
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● その技術はどのようにして生まれたのか
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わたしが、この「上手いですねぇ」という言葉に、違和感を
感じているのは、その言葉が意味することが、
■ 技術を使っていますね
という風に聞こえてしまうからなんですよね。
だから、「上手いですねぇ」という人はひょっとすると
・重要なメッセージを伝える前に間を空けると、聞き手が理解しやすい
・セミナーの最後に感動的な話をすると、聞き手の満足度が高まる
といった技術を駆使したんですね、といった感じで、私のことを
見ているのかな、と思ってしまうんですよ。
それに違和感を感じるんです。
もちろん、私自身、技術を否定するつもりはさらさらありません。
むしろ、非常に役に立つ便利なものだと思います。
しかし、全く同じ技術を学んでいながら、その技術を
きちんと使いこなしている人と、そうでない人がいます。
そして、私が見ている限りでは、技術を使いこなせない人は
人の技術に接したときに判で押したように「上手いですねぇ」
としか言えない人たちなんですよね。
なぜ、その人たちは、技術を使いこなせないのか。
それは、彼らが
■ 表面的に見える技術だけを見ている
からなんです。
だから、単に重要なメッセージを伝える前にただの空白の時間を
空けたり、セミナーの最後に、突然泣ける話を持ってきたりして、
思いっきり滑ってしまうんですね。
翻って、技術がきちんと使えている人たちは何が違うのかと言えば、
★ その技術が生まれた理由をきちんと理解している
ということが挙げられます。
重要なメッセージを伝える前になぜ間を空けるのか。
その空白の時間に、聞き手にいろいろなことを考えて欲しい。
そのためにまず、考えるために必要な情報を事前に与え、
そして意識のベクトルをひとつにまとめるための質問を投げかけ、
その上で、聞き手に十分な受け止めさせる意識を醸造するために
あえて空白の時間を作る。
それが、間だと言うことを理解してやっているんですね。
何で最後に泣かせる話を持ってくるのか。
自分自身が伝えたいメッセージを一定時間かけて話聞かせた上で、
最後にそのメッセージの核となるものを、ひとつの感動的な
エピソードで、相手の心に直接送り込み、頭だけの理解でなく、
心から納得して受け止め手もらうために、あえてそのメッセージの
核を象徴するような、感動的な話を最後に持ってくる。
このような
★ 相手に本当に解って欲しいという真剣な想い
があるからそ、これらの技術が生まれてきて、そしてそれを知り、
同じ想いをもてる人だけが、これらの技術を活かせるんですよね。
話し方だけでなく、世の中にあるすべての技術、すべてのテクニックは、
こういった、先人たちの強い意志や、熱い想いが元になって生まれて
きたものばかりです。
その技術を学ぶ時には、どうか、表面で見えているものばかりで
解ったような気にならずに、どうか
★ その技術が誕生した瞬間に想いを馳せる
意志を持って下さい。
そして、もしあなたが技術やテクニックを教える立場の人ならば、
どうか、「こうやったらこうなるよ」といった、底の浅い情報伝達
ではなく、
★ その技術を使う心構えと情熱の持ち方
を、きちんと教えてあげて下さいね。
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今日のトーク術・まとめ
表面的に技術を見ず、その誕生の瞬間にまで意識を向けてみよう
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コーチングとか、NLPなんかを学んでいる人なんかには、
よく
■ 技術を表面的に理解して解った気になっている
ような、ちょっと勘違いした人たちを見かけます。
「相手の行ったことを繰り返せば共感が得られるんだ」
とか、
「相手と同じように行動するとラポールが生まれる」
とか、そんな技術論を得意げにひけらかしながら、人の行動の
分析なんかをするタイプの人。
心理系の勉強しているくせに、全然人の気持ちがわかってない、
もうしょうがないほどの【ウマしか君】たちですな。
で、何を隠そう、以前の私が、この典型的な【ウマしか君」で
ありました。
なにせ、当時の私は、人を思い通りにコントロールしたいという
想いだけで、コーチングとかNLPとか、勉強してましたから。
「なるほど、こういう話し方をすると、共感が得られ、
結果的に、俺の言うなりになるんだな」
とか勘違いして、それを実践すると、当然ながら、誰も全然
自分の言うことを聞かない。
「何だよ、おっかしーじゃねーか! 使えねぇな、コーチング」
とか、本気で思ってましたから(滝汗)
今じゃすっかり心を入れ替えていますので、そんな馬鹿なこと
考えてなんかいませんが、世の中には、まだまだ昔の私の
様な考えを持っている人がいるような気がします。
例えば、セールスやマーケティングスキルを高めたいと思って
NLPなんかを一生懸命学んでいて、全然結果が出ていない人。
例えば、言うことを聞かない部下とコミュニケーションを取るために
コーチングを学んでいるけど、全然うまくいかない人。
そんな人は、ひょっとしたら、昔の私のような、根本的な
勘違いをしているかもしれません。
★ 学ぶ姿勢を根本的に見直して
そして、今日お話ししたように、技術の源泉に、しっかり目を向けて
下さいね。
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● 編集後記
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いよいよ、明日はほぼ1年ぶりとなる、自分が講師を努める
自己開催セミナーです。
もうすっかり段取りを忘れてしまって、直前までばたばたして
いましたが、何とか無事準備が出来ました。
参加者の方たちに事前にお話を伺っては練り込み直し、
なんてことやってましたんで、当初予定していた内容の
ものとは大幅に変わってきてしまったんですが、まあ
これはもう、いつものことですけどね。
ということで、明日いったいどんな人たちとお会いできるか、
とっても楽しみであります!
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