仕事上の人間関係や働き方の悩みに、効果があるブログです。時々チクリとしますが、読んで実践すれば、心も楽になり、仕事の成果も変わってきます。

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突発事態への対処法は?

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  ● あなたは2000人から、一斉に罵声を浴びたことがあるか(1)
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時は20年程前に遡る。
当時、私は映像・イベント製作会社に身をおいていていた。
いわゆる業界人である。
とはいえ、テレビ・マスコミ関係の仕事はほとんどなく、
主に企業等の組織より直接依頼を受けて、教育・イメージビデオや
イベントの企画運営などをやっていた。
華やかな業界の中でも、かなり地味な領域で活動していたのである。
それは、某政治団体の集会イベントの時に起きた。
とある地方の議会選挙で、某党推薦候補者を応援する、という
イベントがあり、我々はその撮影とイベント中の上映、音楽演奏の
仕切りを行うことになった。
イベント企画者は、そのイベント中に候補者を応援する歌を作り、
会場に来た支援者全員と一緒に歌って、その集会を盛り上げよう!
ということを考えた。
そして私は、上司からの指示により、当日会場で歌う合唱団員手配と、
彼らに対しての音楽指導を行う仕事を任された。
高校時代、私は合唱部で活動していた。
社会人になってからは合唱から縁遠い生活を送ってはいたが、
そこは昔とった杵柄、さくっと当時の友人たちに連絡をとり、
必要人数を集めるとともに、2日ほど練習の時間を取って、
歌の指導を行った。仕上がりは、もちろんばっちりだ。
上司の話によると、当日行われる会場においての合唱指導は、
外部から先生をお呼びして行うとのこと。
であるならば、こちらの仕事は準備万端。
あとはその先生にお任せするだけ。
私は、仕上がり具合に満足しながらイベント当日を待った。
さて、イベント当日、さわやかな天気の中、こちらの担当部分に
ついては準備万端、きっちり仕切ったる! と意気揚々と会場に向かった。
しかし、イベントが始まったとたん、随分きな臭い雰囲気が漂ってきたのだ。
というのも、その時に政界全体を揺るがす大汚職事件が起きていた。
ここではその事件がなんと呼ばれていたかを、はっきりと
書かない方がよいと思うので、やめておく。
「海ルートでもなく、空ルートでもない」疑獄
と書くだけにとどめておこう。
そして、この時期、国民の政治不信は頂点にまで上り詰めており、
当然某党の支援者の人々も、文句を言いたい! といった想いは
人一倍強くなっていた状態であったのだ。
重苦しく、険悪なムードのままイベントが始まった。
まさに一触即発といった空気が会場を包み、司会進行の
お姉さんの明るくさわやかな声が、よりいっそう険悪さに
拍車をかけている。
こんな重苦しいイベント、今まで見たことがなかった。
口火を切ったのは、某党の党首が挨拶のために壇上に上がった時。
その時、客席の支援者から、堰を切ったように一斉のブーイングが
巻き起こった。
おぉぉ! ものすごい負のエネルギーだ! 
舞台袖から客席とステージを見ながら、恐ろしいほどの怒りのエネルギーを
肌で感じ、ぞっとしながらイベントの進行を見守っていた。
その時、急に上司が私を呼び出した。
「おい、水野。イベントのフィナーレにやる、会場の支援者と
 一緒に応援歌を歌う時の話だけどな、歌の指導をする先生が
 急遽こられなくなったから、お前がステージに出て指導しろ」
えぇぇぇぇぇぇぇぇ~~~~~~!!!!!
確かに私は合唱団にいた時に、大きな舞台に立ったことは何度もある。
千人だろうが二千人だろが、やろうと思えばステージに立つことは出来る。
しかし、今回は全く状況が違う。
過去に私が経験しているのは、客席とステージ上との間に敵対関係のない
状態のものである。
こんな緊迫した雰囲気の中でステージにたったことなど、過去に一度もない!
上司の、あまりに無茶なオーダーに頭が真っ白になり、
「絶対に無理だ! 断ろう!」
と思ったのだが、その上司は、私の一瞬の隙を突き、逃げるように
どこかに消えてしまった。
慌てて探し回ってみたものの、どこを探しても出てこない。
その人、都合が悪くなるといっつも雲隠れして、事が通り過ぎるまで
絶対に出てこない人なのだ。
段取りはいまさら変更できない・・・
代替案は思いつかない・・・
時間は差し迫ってくる・・・
会場の空気は、時間がたつほどにどんどん悪化していっている・・・
・・・そして、無情にもタイムリミット。
ついに私が、あの険悪なステージに立たなければいけない
時を迎えてしまった。
コンビニ強盗が現行犯で捕まり、連行されるかのごとく、
スタッフに引っぱられ、舞台袖にスタンバイさせられる。
ステージ上では、イベントのフィナーレに向かい、党首や支援議員、
立候補者が勢ぞろいしている。
客席からは、相変わらず恐ろしいくらいのオーラが、それこそ激しい勢いで
発せられている。
そんな雰囲気を舞台の袖で見ている私は、いっそこのまま時が止まれば、
時が止まらなければ、自分の心臓が止まれば、どんなにうれしいことか、
本気でそう思っていた。
そして・・・ついに出番となった。
司会進行のお姉さんは、プロ根性を発揮してさわやかで明るい声で
フィナーレの進行アナウンスをしゃべり始めた。
「それでは最後に、住みよい街、明るい街、そして新しい都市づくりを
 目指して活躍される候補者の方へ、エールをおくリたいと思います。
 私たち○○党と、支援者の皆さんと一緒に、心を合わせてテーマソングを
 うたいましょう!」
BOOOOOOOOO!!!!
すさまじいまでのブーイング。
当たり前だ。心を合わせてったって、今の段階で、完全にズレているんだから。
白々しい言葉にもほどがあるってもんだ。
当たり前すぎるくらいのブーイングだよ。
「・・・それでは、みんなで一緒にテーマソングを歌う前に、
 まずは歌の練習しましょう!
 皆さんと一緒に練習してくれる、歌のお兄さんは水野さんでーす!
 では、水野さん、どーぞ!!!」
BOOOOOOOOOOO!!!!
BOOOOOOOOOOO!!!!
う、歌のお兄さん?! 
何だそのピンポンパン的な紹介は! 
お前、相手は50歳60歳のいい大人だぞ!
そんな言い方したら、怒りのエネルギーがこのオレに来るだろ!!
しかし、もう後の祭り。
お姉さんは紹介をするだけしてさっさと引き上げてしまった。
今まで自分が受けたブーイングの矛先を、すべて私に向けさせようと
したとしか思えない。
それほど能天気な紹介とその直後の消えっぷりの鮮やかさだった。
すでに私は紹介されてしまっている。
もうステージに出なければならない。
舞台袖のスタッフも私に出ていけと促している。
……一体私は、どーなってしまうのか?!
(次回に続く)
 
 


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  ● 突発的な事態への対処法
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時々、逃げ出したくなるような突発的な事態に陥ること、ありますよね。
こういった状態に落ちいた場合、あなたはどう対処しますか?
 私は3種類の対処法があると想います。
  ・あがく
  ・あきらめる
  ・受け入れる
上司からの命令を受けたとき、私はパニック状態に陥りました。
そして、最初に選択した行為は
  【あがく】
だったんです。
【あがく】というのは、自分自身が自由となるべくジタバタすること。
このときの私も、
 ■ この事態から逃げ出すことに【あがき】
続けました。
しかし、結局何も思いつくことなどできず、
本番を迎えてしまったんです。
さて、その状態に陥ったときに私が選んだ選択は、2番目の
  【あきらめる】
というものでした。
【あきらめる】とは、望みを捨てる、断念する、ということ。
舞台袖まで連行されたときの私は、
 ■ この事態から逃げ出すことを【あきらめる】
ことにしたのです。
しかし、今冷静に考えると、
 ■ この2つの選択肢を選んだことは大失敗だった
と思います。なぜなら、【あがき】も【あきらめ】も
 ■ 今自分が置かれている事態から目をそらす
ことなんですよね。
事態の改善を図る場合、一番重要なのは、
 ★ 今の自分がどういう状態なのかを正しく理解する
ということ。
これがしっかり出来ていない状態で、事態の改善など
まず出来ません。
ですから、突発的な事態に陥ったときに、まずはじめに
どういった状態なのかを理解するためには、まずは
  【受け入れる】
ということが重要なんです。
しっかりと、事態を【受け入れ】て、今の自分がどういう
状態なのかを隅々まで理解しようとする。
そうすれば、これから自分が何をしなければいけないのか、
何をしたらいいのかが、見えてくることでしょう。
少なくとも、【あがき】や【あきらめ】のときのように
目をそらした状態より、解決の道は見つけやすくなると思います。
ぜひ、突発事態に陥っても、そこから逃げようとせずに
しっかりと現状を受け入れてみてくださいね。
 
 
 
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           今日のトーク術・まとめ
     突発事態が起きたら、まずその事態を受け入れよう!
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ひょっとすると、【あきらめる】と【受け入れる】ということの
違いがよくわからない人もいるかもしれません。
私自身、ついこの間までは、あきらめと受け入れの違いが
今ひとつよくわかりませんでした。
でも、最近、自分なりの感覚で理解した様な気がします。
それを言葉で表現するなら、
 ・あきらめは、未来への選択肢を絞ったあげく未来を捨ててしまった状態
 ・受け入れは、現状を認識し、未来への選択肢を増やす準備ができた状態
といった感じでしょうか。
【受け入れ】という言葉は、決して後ろ向きな言葉ではなく、
前向きで、アグレッシブなイメージになってきているんですよね。
言葉の感じ方は人それぞれだと思いますが、私のこの感覚も、
よかったら参考にしてくださいね。
 
 
 
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  ● 編集後記
─────
ということで、ネタ元の文章が結構長かったため、
今回は前後編となってしまいました。
いつも長いメルマガなのに、今日はさらに長くなってしまって
ホントすいません(汗)
ということで、舞台袖に引き立てられた私は、逃げ出したいという
願いもむなしく、この後ステージに立つことになります。
 ・果たして、無事にこの仕事を乗り切ることが出来るのか?!
 ・それとも、さらなる事件が起きてしまうのか?!
 ・さらに驚きの大どんでん返しがあるのか?!
すべては、明日のメールマガジンで明らかに!!!
……最近、プリズンブレイク2を見てるもんで、
なんか、こんな煽りをいいたくなっちゃった(汗)
 
 

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