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ミスが許されない部署のリーダーこそ「何があっても大丈夫」と考える必要がある理由

自己啓発的な考え方として「何があっても大丈夫」という言葉があります。

どんなにひどいことがあったとしても、つらいことが起きたとしても、それでも大丈夫だよ、という考え方ですね。。

この言葉、私自身も、非常に重要な考え方だと認識しており、リーダー研修時には、受講生に必ず、
「『何があっても大丈夫』という考えは、自分のベースに必ず持っておきましょう」

ということを、熱心に語っています。

しかし、そんな私の話に対して、強い抵抗を示す人が必ず出てきます。

特に、失敗や間違いが許されない仕事に就いている人、例えば、人の命を預かる仕事や、品質保証や審査といった
部門の人ほど、否定的な反応を見せてきますね。

「いやいや、そんな考えを持って働いたら、うちらの仕事は破綻します。
絶対にそんな考えを持って働いてはダメだと思います!」

と、こんな反応を見せて来るのです。

そんなとき、私は、こんな話をします。

「なるほど、確かにそのお気持ちはよく解ります。

皆さんのような仕事をする人は、万が一というような ことは、絶対にあってはならない、と考え、そのようなことが起きないように、最善の努力をする必要のある人たちですからね。

しかし私は、それでもなお、というよりも、そんな仕事に就いているみなさんこそが『何が起きても大丈夫』という考えをベースに置いておく必要があると考えています。

それはなぜか、説明しますね。

ここに、皆さんのように、失敗が許されない仕事に就いている、AさんとBさんがいるとしましょう。

二人とも、職務には非常に積極的に取り組んでおり、失敗が起きない最善の努力に努めています。

二人の違いは唯一、自分のベースにある考え方のみです。

Aさんは『なにがなんでも失敗は許されない』と考え、Bさんは『何があっても大丈夫』と考えているのです。

ある日、この二人の身に、許されない失敗が発生してしまいました。
もちろん、二人とも、最善の努力はしていましたが、やはり人間ですから、こういうことも起きますよね。

さて、この許されない失敗が発生した後、この二人はどのような行動を取ると思いますか?

まず、『なにがなんでも失敗は許されない』という考えがベースにあるAさんは、どういった行動に出るでしょう?

私が思うに、取るべき行動は2つでしょう。ひとつは

【許されない事をやってしまった自分を激しく責め立てる】

という行為です。

おそらく、Aさんは、立ち直れないほどのダメージを受けることでしょうね。そして、自分を激しく責めることでしょう。

その後、おそらく、その仕事を辞めるか、もっと真面目に思い詰めてしまったとしたら、自殺を選んでしまうかもしれません。

いずれにせよ、自分を責めることに意識が向いてしまい、起きてしまった失敗に対しての対応を取るところに頭が行かず、思考停止をしてしまうでしょうね。

これが、Aさんが誠実で真面目だった場合に取りうるケースです。

しかし、もしAさんが自己保身の強い人ならどうなるでしょう。
おそらく、Aさんが取りうる行動は【失敗を隠蔽する】という行為でしょうね。

自分にとって、あってなならない失敗、決して許されない失敗が起きた。

ベースの考え方に、そんなものがある以上、起きてしまったこの一件を無かったことにしたいと考えるのは、自己保身の強いAさんにとっては、ある意味当然でしょう。

だから、とにかく、隠蔽工作に走り、起きてしまった失敗をひた隠しにすることに、全力を注いでいくのです。

これが、『なにがなんでも失敗は許されない』という考えを持っている人が、万が一のことが起きてしまったときに取るであろう行動です。

『いやいや、私はそんなことはしないぞ』

という人もいるかもしれませんし、

『そんな失敗は私はしない』

という人もいるかもしれません。

でも、リーダーであるあなたがそうであったとしても、あなたの下で働く人は、そうではない可能性も高いでしょう。

そんな彼らが、万が一の失敗をしたときに、

『なにがなんでも失敗は許されない』

という考えがベースにあるあなたに対して、素直にこの失敗を報告するでしょうか?

そう考えると、恐ろしいと思いませんか?

では、『何があっても大丈夫』という考えがベースにあるBさんの場合はでどうなるでしょうか?

Bさんのような考えがベースにあれば、万が一の失敗が起きたとしても、取り乱して自責したり、隠蔽しよう
などとは考えず、

『確かに大変なことになったけれど、でも、何があっても大丈夫。
さて、これからどうしていこうかな?』

と、このトラブルに対して、冷静かつ前向きに取り組んで行くことが出来るでしょう。

そして、そのような取り組みが出来れば、起きてしまったトラブルも、動揺して対策を取れなかったり、変に隠蔽して後で露見してしまったり、といったような甚大な被害にはならず、最小限の被害で納めることが出来るはずです。

また、『何があっても大丈夫』というベースの考え方を持っているリーダーの元で働くメンバーたちも、万が一のことが起きたとき、狼狽して自滅したり隠蔽しようとせず、タイムリーにそのことをリーダーに報告してくるようになるでしょう。

だから、私は、皆さんのような、失敗が許されない仕事に就いている方たちほど、しっかりと『何があっても大丈夫』という考え方をベースに置き、その上で、『失敗が絶対に起きない最善の努力』に取り組んで行ってもらいたいのです。

どうか、万が一のことが起きた時に、自滅してしまったり、隠蔽工作に走るような人になったり、また、、そんな人たちを育てないで下さいね」

……ということで、一見フワフワした言葉に聞こえる、

「何があっても大丈夫」

という言葉。是非、うわべに見える意味だけで否定的な反応をしないで、どうか考え方のベースに置くようにして下さいね。

■□■□■□■□■□■ 今日のまとめ □■□■□■□■□■□

・失敗が許されない部署だからこそ、万が一の失敗があった時に、適切な行動を取る必要がある

・その際に、冷静な判断や正しい報告が出来るようになるためにも、「何があっても大丈夫」という考え方を、ベースにおく必要がある。

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