随分前の話ですが、随分ご機嫌な感じで働いているタクシーの運転手さんの車に乗り合わせました。
見るからに、ご機嫌で働いているので、私は、
「タクシーの運転手という仕事は楽しいですか?」
と聞いてみました。すると、
「いや、別にそうでもないですよ」
という意外な返答。
「でも、随分とご機嫌じゃないですか」
と聞いてみましたら、こんな答えが返ってきたのです。
「私ね、趣味でラジコンやってるんですよ。
休みの時は、外で飛行機飛ばしたり車走らせたり、家で模型を作ったりしているんですよね。
ホント、この趣味、大好きなんですよ。
でね、この仕事って、働く時間も長いけれど、休みの時間も長いんですよね。
それに、平日も休みになることも多いし。
だから、私の趣味を堪能するには、結構良い労働環境なんですよ。
飛行機飛ばせるところやサーキットって、結構少ないから休日は混むので、平日
空いているときにも行きたいですしね。
それに、模型作りも、毎日チョコチョコ作るより、まとまった時間を使ってじっくり作りたい派なんで。
ぶっちゃけ、この仕事、そんなに好きじゃないです。
結構キツいし、当たるお客さんによっては……ねぇ。
でも、この仕事のおかげで、趣味を堪能できているから、ホント、ありがたいですよねぇ」
なるほど、仕事が好きじゃない人でも、ベースにこういう理由があれば、前向きに仕事に取り組む事が出来るんだな。
私は仕事柄、企業研修の講師もやっていますので、基本的には、仕事そのものを好きになって、前向きに取り組みましょう、的な話をすることもよくありましたし、今も基本的にはそう思っています。
しかし、別に、仕事が好きじゃなくても、前向きに仕事に取り組むことは出来るものなんだな、と、その人の話を
聞いていて、改めて思ったんですよね。
その上で、振り返ってみると、仕事がつまらないと言いながら、文句ばかり言ってる人ほど、自分が好きなことをやっていない。
試しに、
「じゃあ、あなたは何が好きで、それをどれほどやっているの?」
と聞くと、まともな答えが返ってこないことが結構あります。
やりたいことを全然やらず、我慢しながら生きているから、仕事だって、楽しくないし、むしろつらいことばかり見えてきてしまう。
でも、やりたいことをやっている人は、仕事という、やりたくないけどやらなきゃいけないことも、
「自分のやりたいことを支えてくれている大切なこと」
と思いながら、それが出来ることを感謝しつつ、前向きに取り組む事が出来るんですよね。
だから、もし今あなたが、仕事に前向きな気持ちになれない、というのならば、そして、振り返ってみて、自分が好きなこと、やりたいことを我慢して、全然やっていないのだとしたら。
別に、無理して仕事を好きになろうとする必要はありません。
まずは、今すぐ、出来る範囲で、やりたいことを、始めてみましょう。
そして、そのやりたいことに、できる限りの時間とお金とエネルギーを使って、本気で取り組んだときに、自分のやりたいことを支えてくれる、やりたくないけどやらなきゃいけないことの大切さが、身にしみて解ってくることでしょう。
今日のまとめ
・仕事に前向きに慣れない人は、まずは自分がやりたいことに本気で取り組んでみよう。
・そうすれば、仕事そのものはやりたいことではなくても、自分のやりたいことを支えてくれる大切なものだと自覚
出来る。
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