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● 変な立地の繁盛店
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一昨年、家から歩いて１０分くらいのところに、新しく事務所を
構えました。
場所は、駅から歩いて５分くらいの、閑静な住宅街です。
駅前の繁華街から比べると、夜は閑散としている場所です。
でも、そんな事務所の近所に、唐突に、という感じで、
居酒屋があるんです。
立地的には、もう、圧倒的に不利な場所で、何でこんなところに
お店出しているんだろう、と不思議に思っていました。
初めてそのお店に気づいたのが昼間だったんで、はやっているか
どうかはよくわからないまま、こんな場所に見せだしているようじゃ
ダメだろうな、と勝手に決めつけて、無視してたんです。
ところが、ある日事務所の近所にある行きつけの床屋さんで、
マスターと話してて、この近くにあるおいしい食べ物屋さんは？
という話になったとき、
「あそこの海鮮居酒屋さん、凄くおいしいですよ」
って言われたんですね。
それが、上に書いた居酒屋さんなんです。
えー、あんなところにあるようなお店がおいしいの？
しかも、海鮮って、ここ高尾山の麓だぜ？
にわかには信じられないのですが、床屋さんが結構強く
プッシュしてきたので、ならば一度行ってみよう、ということで
早速その日の晩に出向いてみました。
そしたら、えらい流行ってるんですよ。
まあ、小さなお店ですからカウンターと座敷で２０名ちょっと入ると
いっぱいになってしまうんですが、それでもほぼ満席。
かみさんと二人で行ったんですが、何とか２人分は席が空いていたので、
食事を取ることが出来ました。
そして、待望の料理到着。
いやあ、旨い！！！
外食時には結構味にうるさいうちのかみさんも、
「自宅から反対方向のお店だけど、ここなら通いたい」
と絶賛し、以降月に２回は通うようになりました。
そのお店のマスターや、常連さんとも友達になり、
どのら辺から来ているのか聞いたら、結構遠くから
通っている人もいるようで。
私の自宅のマンションに住んでいる人も、わざわざこの店まで
通っている人が、何人かいるようです。
ということで、これは良い店を見つけたと大喜びし、事務所に
お客さんがきたときは、必ず夜この店に連れて行きます。
そうすれば、もうほぼ１００％大満足して帰ってもらえるんで、私も
鼻高々なんですよね。
しかし、山の裾野の居酒屋さんなのに、何でこんなに海の幸が
旨いんでしょう？
それは、料理の仕込みに、秘密があったんですね……
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● 本当の仕込みに時間をかける
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この店のマスター、見た目は金髪のチャラいにーちゃんのように
見えるのですが、実は、銀座かどこかの有名寿司屋で働いていた
そうです。
ですから、魚を見る目もあり、腕は確かなんですよね。
居酒屋のくせに、メニューに寿司があり、それがまたメチャクチャ
旨かったりするのもうなずけます。
つまり、名店でしっかり修行を積んできたことが、この店の
味の秘密だったんですね……という話で終わるのなら、
当たり前すぎる結論ですし、もちろん話はこれで終わりません。
まあ、確かにそれも味の良さの大きな理由ではあるでしょうけど。
しかし、本当のうまさの秘密は、そこじゃないんですよね。
実は、ここのマスター、前の店を辞めて、ここで店を出す前に、
■ 一年間、市場で働いていた
そうなんです。
将来お店を出そうと思っている地域から通える市場で、
１年間働きながら、良い材料を手に入れるためのネットワークを
作っていたんですね。
そして、その市場でしっかり顔を覚えてもらい、仕入れの
ルートを確保した上で、お店を出したんです。
私も、お店を出したという人の話は何人か聞いたことが
ありますが、お店出す前に、１年間市場で働いたという
人は、いままであまり聞いたことがありませんでした。
でも、考えてみれば、これってとても重要なことですよね。
いくら目利きを鍛えて、良い魚と悪い魚の区別がつくように
なったとしても、良い商品を優先的に回してもらえるような
人間関係を作っていなかったら、意味ないわけですし。
実力を磨き、良いものを見分け、それを優れた技術で調理する
こともとても大事でしょう。
しかし、本当のプロの料理人の仕込みとは、素材を吟味するよりも、
素材に技を施すよりも、もっともっと手前から行われているんですね。
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今日のトーク術・まとめ
実力だけでなく、人間関係の仕込みもしっかり行っていこう
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私自身、以前は「実力さえあればビジネスはうまくいく」と思って
いたクチであります。
しかし、今こうして曲がりなりにも独立して仕事が出来ている、
ほとんどの理由は
★ 密度の濃い人間関係が作れたから
という部分に他なりません。
これがなかったら、きっと私は今頃、公園で寝泊まりしていた
ことと思います。
でも、考えてみれば、これは当たり前のことで、だってビジネスとは、
★ 人と人との間に、価値を行き交わしていくこと
に他ならないわけですから。
その人と人との関係が、太くしっかりと繋がりあえばあうほど
★ 大きな価値を行き交わすことが出来る
ということになるんじゃないかと思うんですよね。
そして、取引先からお客さんまで、こういった太く繋がる
人間関係が出来ていけば行くほど、
★ 皆が豊かになるような、価値の行き交い
が出来る様になるのでしょう。
これが、皆を幸せにし自分も幸せになるビジネスの原点とも言える
考え方なんじゃないかと、私は想うんです。
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● 編集後記
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今日のお話に出ていたお店は、「いち助」と言います。
もし八王子近辺にお住まいの方がいらっしゃったら、
ぜひ一度、いってみてください。ホントお勧めですから。
地図はこちら
→ http://gourmet.yahoo.co.jp/0001135965/0003178180/coupon/
さっきも書きましたが、常連さんも多く、満席になることも多いので、
お店に行くときは、事前に予約するか、電話で聞いてみると
良いでしょう。
で、お店に行ったら、マスターには、私から聞いた旨を
是非お伝えください。。
まあ、それでサービスがよくなったり、おまけが一品つく訳でも
ないのですが、私の株が上がり、マスターの心覚えもさらによく
なりますので、ご協力のほどを（←コラコラ）
ちなみに、ここの常連さんの中で、漢字は違うものの、
読み方が全く同姓同名の「水野ひろし」さんがいらっしゃい
ますので、マスターに紹介された旨を伝える場合、
「この近所の事務所から通っている水野」
と言ってもらわないと、もう一人の水野さんの株が上がってしまう
恐れがありますので、ご注意ください（←コラコラコラ）
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