仕事上の人間関係や働き方の悩みに、効果があるブログです。時々チクリとしますが、読んで実践すれば、心も楽になり、仕事の成果も変わってきます。

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せんとくんの宣伝効果

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  ● せんとくんの経済効果
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頭に角を生やした、仏様みたいに見える童子。
2010年に奈良県で開かれる、平常遷都1300年祭りの
マスコットとして作られたものの、「かわいくない」とのことで
いろいろなところで叩かれているせんとくん。
私もネットを徘徊しているときに、この話にぶつかり、
あまりにひどい叩かれ方をしているのを見て、同情しておりました。
何でも、かわいくない、ということだけでなく、仏教関係者からは
「神仏を馬鹿にしている」というクレームがあがったそうで。
また、市民団体からは、撤回要求を突きつけられ、それに対して
平常遷都1300年記念事業協会は突っぱねるという強気の姿勢を
とるなどの喧嘩状態までに発展しているそうで。
はたまた、「選考過程が不透明だ!」ということで、県内の
デザイナーが集まって、独自のキャラクターを募集し始めている
という話まで出てきている状態。
そんななか、4月19日のYOMIURI ONLINEのニュースで、
【「かわいくない」が好結果、「せんとくん」宣伝効果15億円】
という記事が発表されました。
以下、ニュース記事の本文であります。
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2010年に奈良県で開かれる平城遷都1300年祭のマスコット
キャラクター「せんとくん」の宣伝効果が約15億円に達したと、
大阪府立大経済学部の荒木長照教授らが試算した。
市民からの「かわいくない」などの反発が思わぬ好結果に
つながった格好だ。
せんとくんは頭にシカの角を生やした童子をイメージした男の子。
NHKと民放キー局の28番組で計1時間52分2秒取り上げられ、
広告料に換算すると14億6959万167円、新聞では全国紙の
記事段数などから1333万1019円とはじき出した。
せんとくんの制作経費は1018万円。
平城遷都1300年記念事業協会の広報担当者は「期待以上の効果」と
苦笑いしている。
記事のサイト
 → http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080419-OYT1T00427.htm
=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*
ということで、あれだけ揉めて、みんなにひんしゅくを買いながらも、
結果的にはそれが事業協会側にとって、多大なるメリットを提供して
しまったと言うことになりました、というお話であります。
さて、この話を聞いて、もしあなたが協会側の広報担当の
人なら、どう思われるでしょうか?
あなたも「期待以上の効果」と苦笑いをされるでしょうか?
 
 


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  ● 宣伝効果を使って、何を宣伝したのか?
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今回の話を聞いて、多分マーケティングとか、プロモーションなんかを
熱心に勉強しているビジネスマンの多くの人は、
 ■ ひんしゅく買ってもこれだけ効果が出たら大儲けだ
と思うんだろうな、と私は想います。
何せ、宣伝を目的として1000万円かけて作ったマスコットが
結果的に、15億円相当の宣伝活動をしてくれたわけですから。
元は十分に取った、ということは言えるんだろうと思います。
しかし、本当にそれで喜べることなのかなあ、と私は
どうしても想ってしまうんですよね。
そもそも、宣伝って何でしょう?
Wikipediaによると、宣伝とは元々プロパガンダと
言う意味で使われていたそうです。
プロパガンダとは、国家や政府が、特定の思想・世論・意識・行動へ
誘導する国策宣伝という意味だそうで。なんか穏やかじゃないですな。
ただ、現在は宣伝と言えば商業目的の意味で使われることが多いため、
そこから解釈すると、自社の商品・サービス・理念などを多くの人に
知ってもらう活動と解釈してもらえばいいでしょう。
ということは、今回のせんとくん騒動は、どんなことを
多くの人に知ってもらえたんでしょうか?
きっとあなたも知っている、せんとくん。
今回の騒ぎの中で、あなたは一体何を知りましたか?
おそらく多くの方が、せいぜいのところ、2010年で
遷都1300年だ、程度のことしか知らないのでは
ないでしょうか。
でも、そんなことを世に広めるために、平城遷都1300年記念
事業協会は結成されたのでしょうか。
違いますよね。そんなわけないですよね。
実は、この協会は
 ■ 「平城遷都1300年を機に、日本の歴史・文化が連綿と続いた
   ことを“祝い、感謝する”とともに、“日本のはじまり 奈良”
   を素材に、過去・現在・未来の日本を“考える”。」
という理念の元、発足したそうです。
知らなかったでしょ。せんとくんは知ってても。
つまり宣伝効果、というのは、この
 ★ 伝えたいことが伝わったかどうか
ということが重要なんではないかと、私は想うんですよね。
単にマスコットだけが一人歩きして、それが広く知られたからといって、
「やった! うまくいった!」
なんて思ってちゃ、広報担当としてはまずいと想うんですよねぇ。
と、こんなことを言うと、
「いや、まずはこういった形で、どんな形でも良いから知ってもらう
 ことが重要なんだ。伝えたいことは、そのあとからでも伝えられる」
と反論されるかもしれません。
ま、それはそれでもっともなことでしょう。
今の段階ではまだ知られなくても、認知度が上がった今後のステップで
この理念を伝えていけばいい、というのは解ります。
しかし、です。この協会のサイトを見ると、こんなことも
書いてあるんです。
 ■ また、2010年に向けての事前展開として、歴史文化への関心を
   高める各種フォーラムを戦略的に開催するほか、学習型・参加型の
   コンテンツ等により、1300年祭への理解や共感を求めてまいります。
   今後、広く県民・国民の皆様から計画(案)に対するご意見・
   ご提案を募集し、その内容等を踏まえて、平成19年度末頃を
   目途に決定する予定です。
今後、具体的に彼らが展開をしていきたいこと。
こういうことをしていくために、マスコットを作って認知して
もらおうとしている訳であります。
……しかし、どうでしょう。何か違和感を感じはしないでしょうか。
 ■ 「理解や共感」という言葉。
 ■ 「ご意見・ご提案を広く募集」という言葉。
せんとくんがかわいくないからと撤回を求められるも突っぱねたり、
キャラクターの選考過程が不透明だと文句を言われても、それに対して
明確な対応をしようとしていない姿。
「理解や共感」「ご意見・ご提案を広く募集」という言葉からは
かけ離れてしまっているこういった行為を、15億円相当の宣伝効果で
広く世に広めてしまったことが、広報担当者として、果たして
「期待以上の効果」と喜んでいても良いことなのでしょうか。
不二家が、赤福が、船場吉兆が、不祥事を起こしたことでニュースに
取り上げられたことに対し、「○億円の宣伝効果があった」などと
喜んでしまっているような、ことの事態を解ってないんじゃないの?
という違和感を、私は感じてならないのです。
単に知られることが大事なのではなく、自分たちの考えを知ってもらう
のでもなく、
 ★ 自分たちの考えと行動が一致していることを伝える
ということこそ、本当の宣伝効果なのではないだろうか、
と私は想えてならないんです。
 
 
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           今日のトーク術・まとめ
宣伝するなら、伝えたい想いと、それを実現する行動を一致させて伝えよう!
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今回のお話は、遷都協会の方たちを批判しているような内容になって
しまいましたが、ことや規模の大小はあるものの、こういう考え違いは、
結構な人がやってしまっているんじゃないかと想います。
世に知られることにばかり意識が向いてしまい、品質を二の次にして
やれマーケティングだのプロモーションだのと言っている人。
私自身も、昔は変にビジネスの知識をかじってしまい、
こういった誤った考えに陥っていたことがあります。
しかし、今考えてみると、これは本当に怖いことだなあ、と思います。
だって、なまじっかマーケティングだのプロモーションが出来てしまうと、
自分の悪評を自分で広めてしまうことになってしまうんですからね。
だから、もしあなたがビジネスノウハウを聞きかじってばかりいて、
まだ成果が出ていない人であり、かつ、今回のせんとくん騒動の
宣伝効果の話を聞いて
「うまくやったな」
と思ってしまったなら、その考えを改められたほうが、末永く、
幸せなビジネスが出来るような人間になれると、私は想います。
ぜひ、ご一考くださいませ。
 
 
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  ● 編集後記
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週末、うちの猫が足を怪我してしまい、大騒ぎをしていました。
どうやら、二人でふざけあっているうちに一匹の方の爪が
相手の足に刺さったまま引っ張ってしまったようで、裂傷に
なってしまいました。
かみさんが慌てて病院に連れて行き、塗り薬と錠剤をもらって
帰ってきました。
そして、週末は、薬塗ったり、包帯取り替えたり、錠剤飲ませたりと、
何かする度にもう大騒ぎ。
みゃーみゃー鳴いて暴れ回るのを、かみさんと二人で
「だいじょぶだから、だいじょぶだから!」
と押さえつけて、すったもんだしながら処置していました。
また、痛いのに暴れるものだから、そのあとはぐったりとして
寝込んでいる姿を見て、それももう、心配で心配で。
さらには、もう一匹が包帯を巻いた足が珍しくて、ひっかいたり
かじったりするもんだから、もう目が離せない上に、二匹とも
寝付くまで、こっちも眠れなかったり。
週末二日間、そんなこんだで大騒ぎしながら、へとへとになって
今日、改めて病院に連れて行ったところ、腫れも引いてちゃんと
治って来ているとのこと。
病院から戻ってきたら、元気が出たのか、今では二匹でじゃれ
合って遊べるほどにもなり、ホッとひと安心、といったところです。
こういうイベントも、ハラハラしますが、愛情が深まって
良いですね。
かみさんからは
「おとうちゃんが、あんなにこの子たちに話しかけている姿、
 見たことないよ」
っていわれてしまいましたし(汗)
 

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