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● アシュリー・ヘギを見てどう思うのか?
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アシュリー・ヘギ。
通常の10倍以上のスピードで老化が進んでしまう病気、ハッチンソン・
ギルフォード・プロジェリア症候群の患者。
日本ではよくドキュメンタリー番組で登場する方ですので、
きっとこのメールマガジンをお読みの皆さんもよくご存じのことでしょう。
不治の病に冒されながらも、前向きで明るく生きている
彼女は、とても素晴らしい言葉をたくさん残しています。
せっかくですので、その一部をご紹介しますね。
■小さいときからよくからかわれたし、
いまもからかわれることはあるけど、
そういうときは、
「あなたにも同じ血管があるのよ」
って説明するの。
それでもからかうようなら、もう放っておくの。
それはわたしの問題じゃなくて、彼らの問題だから。
■プロジェリアじゃなければいいのに、なんて思わないわ。
わたしは、わたしという人間であることが幸せだし、
神様がわたしをこうお創りになったのには、
きっと理由があるはずだもの。
■わたしのことをかわいそうだって言う人がいるわ。
でも、その人たちはわたしじゃない。
だから、そう言うんだと思う。
だってわたし、自分のこと、
かわいそうだって、ちっとも思わないもの。
(こちらのサイトから一部を引用させていただきました。
→ http://nakamoto.bunbukikaku.com/kotoba45.html)
10代の言葉とは思えない、しっかりした重みのある言葉であります。
先日の2月23日に放映された、「サイエンスミステリー」という
番組でも、16歳になった彼女が登場していました。
症状が進んでしまったようで、大変そうではありましたが、
ペットショップでアルバイトをしたりと、成長した姿を
見せていました。
さて、その番組が放映されたあと、この番組のサイトに、たくさんの
視聴者からのコメントが書き込まれました。
それを読んでみると、大きく二つのメッセージが目につきました。
ひとつは「彼女の強さに感動した」というもの。
そしてもう一つは「彼女の生き方から勇気をもらった」というもの。
以前の私も、こういった人の生き方を見ると、強さに感動し、
勇気をもらったような気がしていました。
しかし、最近は、全く違うことを感じるようになったんです。
果たして、以前の自分が感じたことと、今感じていることと、
何が違うのでしょうか。
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● 感動するのは強さなのか? もらうものは勇気なのか?
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以前の私は、アシュリーような生き方を見ると、
「あんな難病にかかっていながら、それを真正面から立ち向かって
負けないように戦い続けているなんて、強い人だなあ」
と感じ、そして
「彼女もその困難と向かい合って頑張っているのだから、
自分も彼女の勇気をもらい、頑張っていこう」
と思ったものでした。
でも、いざ現実の世界に戻り、そこで困難にぶち当たってしまうと、
せっかくもらった勇気もすぐに萎えてしまい、その困難に真正面から
向かい合うことも出来ずに、しっぽを巻いて逃げ出してしまうんです。
そして、何度も、素晴らしい生き方に刺激を受けながらも、現実世界で
負け犬状態を繰り返していくうちに、
「ああ、きっとあの人たちは特別強くて、自分は普通の人間なんだ」
と思い込むことで、出来ない自分を正当化していました。
しかし、いくつかの人生の波を越えてきた今、思うことは
■人の人生からの学び方を、大きく勘違いしていた
ということなんですね。
実は、アシュリーは、私が思っていたような【強さ】は
持っていなかったんだと、私は思うんですね。
彼女の言葉をきちんと聞くと、実は難病と真正面から立ち向かって
戦い続けてなんかいないんです。
そういう意味では、彼女は強くなんてなかったわけです。
アシュリーの、本当の強さとは
★どうにもならない現実を受け入れる強さ
だと、私は思うのです。
確かに、この強さは素晴らしい。でも、これは継続して障害と
戦い続ける、といったような強さではありません。
どちらかというと、【強さ】というより【覚悟】という言葉の方が
適切のような気がします。
だから、彼女は、病気による苦しみも受け入れているようですし、
その苦しみや、病から来る症状と闘おうという姿勢は見せて
いないように見えます。
そういった、真正面からその病気と闘うのではなく、自分の生き方や、
病気についてのとらえ方、といった
★今自分が何を見つめるべきか
ということに、心を砕いているように見えるのですね。
彼女の言葉のひとつひとつが、自身の病を見つめているのではなく、
★ 自分を活かすために、何を見つめるか
という考えを持って視点を定めているように見え、それを
伝えようとしているのではないかと思うのです。
つまりこれは、病と戦う勇気という、メンタル的なことでなく、
きわめて冷静で理性的な、考え方の話であり、受け取る側の
私たちは、そこを勘違いしてはいけないんじゃないか、と
私は思うんですね。
困難と対決する強さを見て、勇気をもらいながら、結果として
自分の人生に活かすことが出来なかった以前の私。
しかし、変えられない現実を受け入れる覚悟を学び、
その中で自分を活かす視点を持つという考え方を
もらうようになってから、自分の人生が好転してきた実感があります
アシュリーのように、自身の生き方を見せることを通じて、
人の役に立とうとしていう人から、どんなプレゼントを受け取るかは、
もちろん受け取る人それぞれ違うでしょう。
でも、せっかくですから、一時的にモチベーションを上げるだけ、
といったような、小さなプレゼントではなく、一生自分の人生に
活用できるような、大きなプレゼントを受け取りたいものですね。
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今日のトーク術・まとめ
人の生き方をかけたプレゼントは、一生使えるように受け止めよう!
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立派な生き方をしている人たちを見てしまうと、往々にして
感動や感激などをしてしまい、その感情の高ぶりに流されて
大切なもの・重要なものを見落としてしまいがちです。
でも、感動したときに大切なことは、
★ その感動を常に自分自身が再現できるようにしておこうという心構え
なんじゃないかと思うんですよね。
そして、人数が少なくてもいいから、
★ 自分がその感動を提供できる人間になろうと思うこと
が、感動する生き方のバトンを貰った人のつとめだと思うんですよね。
人から貰ってばかりいるのではなく、自分も与える人間になろう、
という気持ちを持って生きると、学びも深くなり、また自分の人生も
楽しくなるんじゃないかな、と、私は思っておりますです。
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● 編集後記
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昨日は、日本ネットカウンセリング連絡会、というところから、
インタビューを受けていました。
サイトはこちら → http://www.jcounselor.net/
代表の倉橋さんとは、5年近いおつきあいで、2003年の暮れにも
一度インタビューしていただいたことがあります。
あれから4年以上の月日が流れ、どんな話が出来るか、自分自身も
楽しみでありました。
結局、4時間にわたって話し続け、またそのあとで、旧交を温めながら
居酒屋で4時間、計8時間も話し込んでしまいました。
いやあ、話そうと思えば、いくらでも話が出てくるモンですね。
新しい考えや、研修のネタもたくさん出てきて、とても面白い時間でした。
このインタビューについては、公開時に、またこちらでご連絡しますね。
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