仕事上の人間関係や働き方の悩みに、効果があるブログです。時々チクリとしますが、読んで実践すれば、心も楽になり、仕事の成果も変わってきます。

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踊り子さんの教え

おはようございます。水野です。
先週から開始しました、Biz.IDの連載ですが、
第2回目が公開されました。
是非読んでみてください。
 http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0809/08/news015.html
さて今日は、私が今まで忘れられず、時々思い出すことのある
体験話をします。
では、早速参りましょう!
 
 
━━━━
  ● 踊り子さんには手を触れないで……くそう!
─────
私がコンビニと酒販店の店長をやっていた28歳の頃の話。
といっても、コンビニも酒販店も、私がオーナーだったわけではなく、
私が勤めていた会社が経営代行をしていたんですが。
その会社は、他にも色々なことをやっていまして。
コンビニ・酒屋の経営代行の他には、飲み屋さんや
イベントコンパニオンの派遣なんかもやっていました。
社員は3名と小さい所帯で、その中でこれだけの事業を回していたんで、
私たち社員は、何かあれば、他部署のお手伝いなんかをしていました。
そんなある日。
とある飲み屋さんから、男同士の集まりの会があって、
そこでヌードダンサーを派遣して欲しい、との依頼がありました。
お断りしておきますが、その会社は、ヌードダンサーを専門に
やっているわけではありません。ていうか、そんな依頼、それが
最初で最後だったようで。
しかし、何を考えたのか、上の人がその仕事を受けてしまったんです。
で、派遣当日、専業の担当が他のイベントの立ち会いで忙しく、
ヌードダンサーの送迎と、現場で何か間違いが起きないように
見張りをする、という仕事が、私に回ってきたんです……
 
 


━━━━━
  ● 踊り子さんの教え
─────
その頃の私は多感であり、また生意気な年頃でしたから、
女の人の裸が見られる! 等という喜びの気持ちは全く
芽生えませんでした。
むしろ、なんで俺がそんな汚れ仕事をやらなきゃいけないんだ、
と、相当不快に思っていたんですよね。
とはいえ、命令ですから行かなければいけません。
踊り子さんを会社のワゴン車に乗せて、会場となる飲み屋まで
送り、ワゴン車の中で衣装に着替えてもらって、バスローブを
羽織った踊り子さんを会場に送り込みました。
踊り子さんからは、写真撮影はNGであること、それから、
体に触れることは禁止、と言うことをきちんと伝えて欲しい
と言われておりました。
ですから、私は、酔っぱらった親父達の前で、作り笑いを
浮かべながら
「はーい、どうもどうもぉ~」
と、前説をする芸人さんみたいに出て行き、
「……えー、踊り子さんにはお手を触れぬよう、お願いします」
などという話をしたんですね。
テレビなどでは聞いたことがあるこのセリフを、まさか自分が
話すことになるとは思いませんでした。
話をしながら、自分の気持ちは、腹が立って、情けなくて、
もう仕方がありませんでした。
男同士の飲み会にヌードダンサーを呼びつけるエロヒヒ親父め。
お前らがスケベ心を出すから、俺がこんなみっともない仕事を
する羽目になったんだ!
お前ら死ね! 全員死んでしまえ!
そんなことを心の中で毒づきながら、顔ではへらへら笑いを
浮かべながら前説をやっておりました。
やがて、踊り子さんが壇上に登場。
私は、親父達の邪魔にならないよう、踊り子さんが投げる衣装を
受け取るためと、万が一のときに踊り子さんを守るために
片膝ついて舞台袖に待機していました。
踊り子さんは、音楽に合わせて衣装を脱いで行きます。
レースのネグリジェ、ブラジャー、パンティとくるくる回しては
私の方に投げてきます。
私は、その衣装を落とさないように受け取ります。
惨めでした。とても惨めでした。
そんな私に対し、エロ親父達は、
「おい、おまえ、いい仕事してんなぁ。うらやましいぞ!」
と肘でつつかれながらいわれ、私は
「ええ、もうたまんないっす」
などと愛想笑いを浮かべて、応対していました。
何がうらやましいだ。こんな仕事、好きでやってるわけ無いだろ!
お前らみたいなエロ親父のために、こんな目にあってんだバカヤロー!
心の中で、あらん限りに毒づきながら、踊り子さんを見守っていました。
手の中にある、ブラとパンティーから感じる、人肌のぬくもりとは
裏腹に、私の心は、冷え冷えと冷め切り、そしてすさんでいました。
そして、舞台終了。
踊り子さんにバスローブを掛け、衣装を持って、ワゴン車に
誘導しました。
踊り子さんが着替えている中、私は運転席に戻り、
腹立たしい気持ちをもてあましていました。
すると踊り子さんが、
「ほんと、ご苦労様ね。つらかったね。こんな仕事やりたくないものね。
 あたしは好きでやってるからいいけど、君にはつらかったよね」
と、声をかけてくれたんです。
私は別に、その踊り子さんに愚痴やぼやきはこぼしませんでした。
しかし、その踊り子さんは、私の悔しがっている気配を感じ取ってくれ
そんな言葉を書けてくれたんですね。
私は愕然としました。そして、申し訳なく思いました。
私がエロ親父に毒づき、不満といらだちの中で仕事を
しているということを、踊り子さんはきちんと見ていて、
そして、気配り、気遣いの言葉をかけてくれている。
それなのに私は、自分の不幸さを呪うばかりで、
踊り子さんを思いやる心配りを一切向けていなかった。
自分の腹立たしさに振り回され、エロ親父達の前で、
裸になって踊った彼女に対して、仕事終わりにしっかり
ねぎらってあげようという気持ちを一切持たなかった。
そんな自分が、とても情けなく思い、居たたまれなくなった
ものの、まだ若かった私は、動揺しながらもそれを隠して、
「いえ、別に大丈夫です」
と、素っ気なく答えてしまい、ねぎらいの言葉を踊り子さんに
かけることなく、着替え終わった彼女を駅まで送って下ろして
しまいました。
今でも時々思い出し、その踊り子さんに対して申し訳ない
気持ちでいっぱいになる、昔の出来事でありました。
 
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           今日のトーク術・まとめ
     自分のつらい境遇に振り回されてしまい、周りの人への
     ねぎらいの気持ちを忘れることの無いようにしよう!
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自責・他責という言葉があります。
自責とは、自分に責任があると考えること。
他責とは、他人や環境に責任があると考えること。
以前の私は、他責の人間でした。
自分に起こる納得のいかないこと、気に入らないことは、
他人や環境のせいにして、文句ばかり言ってたんです。
しかし、その行為が一体何を生んだかといえば、
自分にとって、なんの生産性もない、不幸な時間を過ごした
だけでなく、自分の周りにいる人たちへの気配りが出来ない
存在と成り下がっていました。
他責とは、自分も周りも、誰も幸せにすることが出来ず、
むしろ不幸にすらしてしまう考え方なんですよね。
馬鹿な私は、踊り子さんとの出来事があってもなおそのことに
気づくことが出来ないまま、10年という時間を過ごしてしまいました。
今は、自責の考え方が身についてきましたので、納得のいかない
出来事も、全て自分自身の問題であり、自分の力で解決しよう、
出来なかったらそれは自分の責任、と考えられるようになりました。
そうなると、自分の不幸を呪っている時間を、自分の課題解決のために
有効に活用できるようになるんですよね。
実際には、解決できる課題もあれば、出来ない課題もあるのですが、
仮に課題を解決できなかったとしても、それに取り組んだ経験は、
後々の自分の人生に活きています。
人や環境を呪って、不幸の呪縛からいつまでも抜け出さずにいるのか。
それとも、全てが自分の責任と受け止め、解決するための一歩を
自ら踏み出すのか。
他責をして自らの不幸を呪う人に出会うたび、昔の自分の姿がダブり
それとともに、お礼もお詫びも伝えられなかった、懐深い踊り子さんの
ことを思い出してしまうのです。
 
 
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  ● 編集後記
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昨日、一昨日と、某社の企業研修で2泊外泊してきました。
昨日の夜、ようやく家に帰り着き、久しぶりにネコたちに
会うことが出来ました。
ひょっとしたら忘れられてしまったかも、と思ってドキドキ
していましたが、どうやらちゃんと覚えてくれていたようで、
ちゃんと二人とも玄関までお出迎えに来てくれました。
丸2日の研修の上、打ち合わせやらメルマガやらで夜もばたばたして
あまり寝ていなくて、ヘロヘロになりながら帰って来たのですが、
帰って来て二人の顔を見ると、疲れも吹っ飛びますね。
ということで、メルマガも書き終えたので、これから二人と
夜のお散歩に行ってきます♪

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