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若い者には負けない! という愚かな考え方

最近、50代後半になろうという私に対して、
youtubeが私に送りつけてくるCMに
オレオレ詐欺撲滅、というのがあります。

もう、そんな年になったのか、と、
少々複雑な気持ちになりますが、
まあそれはさておき。

このCMは、高齢者の方を集めて、
林家たい平さんがレクチャーをする
という形を取っています。

その中で、太平さんが

「若い者には負けないぞ! という方!」

と聞くと、その場にいたほぼ全員が手を
上げる、というシーンがあります。

これを見る旅に、

「若い者には負けない、っていう老人は
いかがなものかなあ……」

という引っかかりを感じていたんですよね。

また、先日、MS&AD基礎研究所が、
「高齢者運転事故と防止対策」に
関する調査の結果を公開しました。

これを見て驚いたんですが、高齢者に
なればなるほど、自分の運転に自信が
ある、と考える人が増えているそうで。

なんと、80才以上では、72%もの
人が、自分の運転に対して自信を持って
いるそうです。

ある人は、これを、能力の低い人間ほど
自分の能力を高く評価する

「ダニング・クルーガー効果」

である、と語っていましたが、私は、
それだけではなく、おそらくは、
上にも出て来た、

「若い者には負けない」

という思い込みが、こういう過剰な自信を
生み出してしまっているんじゃないかと
考えています。

この、若い者には負けない、という考えは、
一体どこから生まれてくるのか。

私が推察するに、こういうことを言う、
人たちの多くは、

★ 自分の役割・居場所が奪われる恐怖

を感じていて、それを打ち消すために、
こういうことを言っているのではない
かな、と。

だから、今の自分を過剰に評価し、今いる
場所、立場、役割・ポジションに固執しよう
としているのだろうと考えています。

しかし、個人的には、これはあまり
よろしくないのではないかなあ、と
思っています。

周りに求められて、その場にいるならば、
なんの問題も無いでしょう。

しかし、求められてもいない状況下で、
そして、世の中も変わっていく中で、
旧態依然とした人間が、いつまでも
居座っているのは、変化を求められて
いる世界では、害悪になってしまう。

だから、高齢になったら、若い者と
張り合うのではなく、若い者に今の
立ち位置を譲っていく方がいいと思う
のです。

なんてことを言うと、

「年寄りは社会のお荷物だ!
とでも言うつもりなのか!」

と憤る人もいるかもしれませんが、
そういうことを言いたいのでは
ないんですよね。

年寄りには、年寄りとして求められる
役割、立場、ポジションがあり、そこで
人生の使命ををまっとうしようではないか、
と言いたいのです。

ただ、残念なことに、こういった、年寄りに
求められる役割、立場、ポジション、という
モノは、それほどたくさん、明確に存在して
いません。

50代くらいまでは、社会が、会社が、
色々なポジションを用意してくれて、
我々は、そのポジションを目指しながら、
頑張っていれば良かった。

しかし、60才を超えてくると、社会も
会社も、具体的なポジションをそれほど
たくさんは用意してくれていません。

だから、自分で、自分のポジションを
見つけて行く必要が、これからの高齢者
には求められてくるんですよね。

そういう意味では、社会から与えられた
ものに依存して生きていくような生き方が
出来なくなる、高齢者になったときが、
初めての、

★ 自立した生き方が求められる

ときなのかもしれませんね。

私も、今年で55才。

若い者に負けない、などと、いつまでも
同じ土俵で戦おうとはせず、自分が依って
立つポジションを、どう見つけて行こうか、
じっくり考えていきたいと思います。

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