前回は、説得力を高める方法について
お話しました。
前回は、ひとつ目のポイントとして、ま
「まずは、説得したい相手をよく知ろう」
という話をしました。
今回は、ふたつめのポイントをお話
しましょう。
相手をよく知ったら、次はどうしたらいいか。
さっそく、説得するために、どんな話を
すれば良いかを考えたいと思うところで
しょう。
しかし、もうひとつ、それをする前に
やっておくことがあります。
それは何か、というと、
★ 説得する相手を受容する
ということです。
実は、説得できない人の多くは、相手を
受容しないどころか、相手を否定し、拒絶
しながら説得しようとしてしまいます。
まあ、それも考えて見れば無理からぬこと。
だって、自分と意見や考えが違うからこそ、
その人を説得し、変えようとするわけです
からね。
そりゃあ、受容できていないのは、
当たり前ですよね。
でもね、一方で、こうも考えられます。
逆にもしあなたが、説得される側の
立場にあったとしたら、自分を受容せず、
否定拒絶しながら説得してくる人の
話を、受け入れられるでしょうか?
こう考えると、相手を受容しないまま、
説得をしても、無駄だ、ということが
お分かり頂けるかと思います。
なので、もし説得したい相手がいたら、
先にこちらから、相手を受容する必要が
あるのです。
そして、実際に、説得力のある人の話
を聴いていると、この受容をしっかり
やって、相手の胸襟を開かせています。
例えば、東京ディズニーランドを作った
男として有名な、高橋政知さん。
彼は、開眼近くのあの場所に、ディズニー
ランドを作るにあたり、地元の漁師たちに
漁業権を放棄させる、という説得を任され
ました。
漁師にとって、漁業権は命の糧。
そう簡単に手放すことはないでしょう。
しかし、高橋さんは、一升瓶を片手に、
漁師の家を一軒一軒回っては、次々に
交渉を成立させていったとのこと。
相手の懐に飛び込み、相手と向かい合い、
相手を受け入れた上で、相手にも受け入れ
られ、お互いが納得行くラインを見つけていく。
そのために、まずは酒を酌み交わし、
胸襟を開いて、相手の考え、想いを
受け入れて行く。
この受容をすることによって、高橋さんは、
困難だと思われていたこの交渉を実らせて
いったそうです。
……なんてことを書くと、
「受容するって、そんな大変なことを
やらないといけないのか」
と思って気後れしてしまう人もいるかも
しれません。
でも、受容することの本質は、実はそれほど
大変なことではないんですよね。
ファーストステップは、ただひたすら、
相手をありのまま理解し、そうなんだ、
と受け入れるだけですから。
とはいえ、大変ではありませんが、すぐに
出来る事でもありません。
相手をありのまま受容しようとしても、
それを阻むバイアスが、どんな人にも
ありますから。
でも、そのバイアスに気付いて、フラットに
人や出来事を見られるようになると、受容も
出来るようになってきます。
そして、相手をきちんと受容出来るマインド
セットを整えた上で、前回お話したように、
相手の考え、気持ち、状況等を理解する。
それをしっかり行った上で相手と話せば
届く言葉も紡げるのではないでしょうか。
さて、次回は、説得力を上げるみっつの
ポイントのうちの、最後のみっつめに
ついてお話しますので、お楽しみに。
次回のブログはこちら
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