先日クライアントの方とお話をしていて、
うちの部下は、物事を深く考えない。
いったいどうしたらいいのか。
という話になりました。
これ、リーダー研修などでもよく出てくる
話なのですが、これに対する答えは、
「リーダー自身が『深く考える』を、
どのように定義しているか?」
ということが、まず重要です。
なぜなら、深く考える、という言葉自身が
抽象的すぎるから。
深く考えられない人が、深く考えろ、
という抽象的すぎる言葉で命令されても
深く考えられるようにはなりません。
だから、深く考えさせたければ、まず、
指導者であるあなた自身が、
★ 深く考える、という言葉の定義を明確化
しなければいけません。
そして、その明確化したことを、深く考えて
欲しい相手と、きちんと理解・共有しておく
必要があります。
それが出来て、初めて、深く考える、という
事が出来るようになります。
ということで、ここから下は、私自身が
考えている「深く考える」の定義をご紹介
しますので、あなた自身の定義のヒントや
参考にして頂けたら嬉しく思います。
まず、私は、深く考える、のゴールを、
★ 自身の行動を意思決定すること
としています。
ことビジネスにおいては、行動によって
成果を生み出すことが求められます。
つまり、考える、ということは、単なる
頭の中で行う行為ではなく、最終的に
自身がどういった行動を取るのかを、
決めるために行っていることである、と。
そう定義しています。
それを踏まえた上で、深く考えるために
何をするかというと、
● スタンスを変えて、その立ち位置
からどう見えるかを検証する
● 時間軸を、過去から未来にかけて、
ロングスパンでストーリーを描く
● その上で、「どうする」と「なぜ」
の問いに対する答えを考える
という事をやっています。
そして、この「深く考える」ということを、
受講生やクライアントたちに身に付けて
もらいたいときは、この上の3つに基づいた
質問をし続けます。
「この人の立場からみたら、どう感じる?」
「それをやると、例えば5年後には
どうなっていると思う?」
「なぜそう考えるの?」
「どうしたらいいと思う?」
という質問を、とにかくし続けます。
そうすると、私の質問のパターンを、
相手も理解してきますので、
「水野にこう言うと、きっとこんな質問が
返ってくるから、その答えを用意しよう」
という思考が、自然と出来るようになって
きます。
以前、私が専門学校の講師をしていたとき、
生徒たちに、この方法で、徹底的に質問を
し続けて行ったところ、半年くらいで、
生徒たちは皆、私の質問を先読みしながら、
自然に、「深く考える」事が出来るように
なって行きました。
社会に出る前の彼らですら、私もビックリ
するくらい、きちんと物事を深く考えられる
ようになったので、ビックリしたものでした
でも、これは、裏を返して言えば、深く考え
られ無い部下を持っている、ということは、
それはつまりは、
■ 上司が、深く考えさせていない結果
であるとも言えるんですよね。
なので、あなたなりの「深く考える」を
定義し、それをベースに、部下に質問を
していきましょう。
繰り返し繰り返し、質問を続けて行く
うちに、部下もきっと、その質問から、
あなたの考え方そのものを学び取って
行くはずですから。
そんな、誰もが深く考えるような環境を
あなたが提供して上げて行って下さいね。
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